亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

就活はそういう儀式として割り切っていくのが最善である


変な経験というか、ポンコツ出来損ないエピソードの絶えない私だが、その中でも酷いものの一つが「バイトに受からない」である。

大学入学後、様々なバイトの面接を受けた。
金欠だし、何より親の圧力がもの凄かったから。
カフェ、ゲーセン、雑貨販売、ドラッグストア、ファッション、100均、書店、食料雑貨……おそらく居酒屋と塾講以外の学生が応募しそうなバイトはあらゆる業種で受けた。しかしどこも落ちた。

2年の冬に一度個人店のパン屋のオープニングに採用されたが、半月も経たずに夜の営業時間の変更に伴いリストラを食らった。
いや~大学生のうちにリストラを経験するとは思わなかったなぁ~~~夜に客が来なさそうだってもっと計画的に店を作れよぉ~~~!!!
以降、個人店舗の求人を信頼していない。

その後も落ちに落ち続け、3年の冬にやっと衣料・雑貨販売の駅ビルテナントに採用され、1年ほど働いた。
あと2年の夏から公立小学校の土曜授業アシスタントもしていたが、月1で雀の涙だったので脇に置いておく。


トータルでは30ヶ所以上落ちている。
もはやバイト面接のプロである。(下手だから落ちているのだが)

金の為にと、対人不安が強かろうと受けた。上がり症が酷くても受けた。体調が悪くても、鬱だろうがとにかく応募を乱発した。
あらゆる業種で落ちるので、「私は社会のどこからも必要とされていないのではないか」と落ち込んだ。

一応、日雇いの倉庫作業(面接なんか無い登録制)を必要に応じてやってはいたが、必ず仕事に入れる訳ではないし、基本的に1日がかりなので学校帰りに働くということが困難だった。早く安定したかった。


そんなあまりにもバイト選考に飽き飽きした私が、とりわけウゼェと思ったことをいくつか書こうと思う。
これは最近している就活のネタも混ざっている。

 

履歴書

頭から就活を否定しにかかって申し訳ない。手書きで毎回書くのだ。今時印刷でもいいだろうと思う。
用紙もタダではない。100均の履歴書用紙ですら生活を圧迫していた時期がある。
写真も安くない。学内の割安証明写真機でも500円で4枚。コスパ最悪である。
スマホになってからはアプリとコンビニプリントも駆使した。しかしマナー的にスマホはダメとか書いてあるサイトもある。
正直一番滅んでほしい文化No.1。

今やってる就活の写真は一応写真屋に撮ってもらったものなので数千円する。焼き増し安く済むとはいえ……。
面接の交通費だって痛いのに。勘弁してくれ。

 

面接の意味不明な質問達

無意味、無価値なことは嫌いだ。そんなものに時間を取られたくはない。


「なぜこの求人に応募したのですか?」
金が欲しい。
学校帰りの定期圏内で、自分の出来そうなところで働きたい。
それだけなのに、その言葉をキラキラした埃で飾り付けることを強要される。そしてこれはラメパウダーですと言い張るのだ。
『学費を~~~本業は学業ですので~~~駅から近く~~~普段から覗いていて憧れのお店~~~』
特に学生のバイトなんて全員同じだろ。いや就活も結局はそうだろ。おまんまのお金欲しいだけなのに。
こんな文章考える暇あるなら学内図書館で専門書が読みたかった。


「ご家族の職業は何ですか?」
家族構成の質問はまぁ譲ろう。もし子どもいたら急に休まれるかもしれないからな。(そもそもその風潮が悪いというのは置いておく)
でも職業って。家族の?
しかも、弟がバリバリのニートなので言いづらい。言いたくない。
母は保険の営業員。悪い仕事ではないが、勧誘を恐れられて引かれたら嫌だし、世間にはクソみたいな偏見も転がっているのでこれも親しい人以外には言わないことにしている。
しかし咄嗟に嘘をつけるほどの器用さが無い。それが出来たらいいのに。
別にこれのせいで落ちるとか無いと思うけど、無駄な気疲れをしたので馬鹿正直は損をする。
今度から全員会社員って言おうかな。深堀りされたら詰むけど。


「よく分からない深掘り」
前項でも少し触れたが、「それはつまりどういうことですか?」という質問が嫌いだ。
どうもこうもそうとしか言いようがない。私は最善な言葉を選んで答え、履歴書に書いた。
私が書くのが絵画だろうがデジ絵だろうが関係ないだろ。
そもそも埃のラメパウダーなんだから。
瞬時の対応を見るためだとか言うけど、そのスキルはどこで役立つのか。客を誤魔化すスキルか?


「趣味・特技」
学生が就活の履歴書で悩みやすいと言われる項目である。
私は昔から読書が大好きだ。特に大学生の間は心理学の本を読みまくっていた。
しかし、読書はこの欄に書いてはいけないとよく言われる。うるせぇ。
仕方ないので創作活動なら何でもやります、とか相手の気を引けそうなこと、かつオタクだと言わなくても済むものを適当に喋る。
読書で思い出したが、書店の面接を受けた際に「最近読んだ本は何ですか?」と聞かれたので「松本俊彦先生の『自傷行為の理解と援助』です。あくまで中立な視点から患者へ寄り添う姿勢が見えて、感動しました(要約)」と言ったら変な顔をされたのもイライラする思い出だ。何も小説だけが本ではないだろうに。それでも本屋の店長かよ。
心理学部生が心理学の本を読んじゃ悪いか。

この文脈で紹介して申し訳ないが、松本俊彦さんの本は医者以外にも心理士、学級担任、親などあらゆる援助者としての姿勢が学べるのでおすすめである。私が学生時代に本を通して出会えた偉大な先生だ。一度は講演会に行きたい。


「どうして臨床心理学科を選んだのですか?」
その情報必要ですか?

正直この一言に尽きるが、もう少し言わせてもらおう。
私が心理学を選んだのは、いじめのトラウマに勝てないことと、自分が病みに病んで、壊れて、それでも周りが助けてくれないどころか助けを求めることを禁じられたからだ。自力で立つために自分の闇を科学的・客観的に見つめたかった。
……こんな話聞いて楽しいかよ。クソが。私も話したくない。
これについては一応、外面用の回答は用意していて、内容は嘘ではないのだがやはり隠し事しているようで不愉快だったし何よりやっぱり無意味な質問だなと思うと吐き気がした。
っていうか、テンプレ用意されてるの分かってて聞いてるよね?って類の質問って全部嫌い。
あと学校の選択理由もちょくちょく聞かれるけど、本命落ちて慌てて3月入試で心理学あるとこ探して、志願期限ぎりぎりにそのうち1つとちょっと感動的な出会いをしただけなので話すこともない。
誰もが計画的な人生を歩んでると思うな。


「最近気になったニュースは何ですか?」
この日の朝、殺人事件の犯人が「発達障害心神喪失だった」と無罪主張したというニュースを見たのでそのまま答えた。だってインパクト強かったんだもん。心理学科だし。
失望した顔って見えてるからね?
何期待してた?経済とか?政治とか?
いや私も言うの躊躇ったけど、朝のインパクトでこれしか頭に入ってなかった。

 

あと鬱の通院隠すのも辛かった。健康状態について聞かれても、不利になるのが分かってて言える訳無い。 
学校は休んでないし、就業にも影響はまず無いだろうけど、親にすら拒まれた事実を言うのは無理だった。

 

要するに就活ってか社会でで必要とされるであろう、
着飾るスキル(言葉も化粧も)
どうでもいい質問を元気ににこやかに答えるスキル
普通の人を演じるスキル
必要な嘘にいちいち傷つかないスキル

が皆無なのだ。精一杯頑張ってはいる。
いや社会をdisってはいない。ごめん多少disった。
でも私が適応出来ないのが一番悪い。
私の変な正義とこだわりのせいで嘘がつけない。だから着飾れない。
自分を良く見せようということが出来ないのだ。

 

生きるの下手くそ。

 

間違いなくこういうところ見抜かれて落とされたんだろうな。
でも、それならどこで生きていけば良かったんだろう。

 

 

余談だがこの記事の下書きタイトルは「就活はクソ」とあまりに酷かった。