亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

君はAVGNとJDGを知っているか

クソゲー
貶し言葉ではあるが、時に愛を持って語られるよく分からない言葉。
世の中には、これを好んで(?)プレイする猛者もいるとかいないとか。


私は愛と客観性のある文脈でのクソゲーが好きである。
智を持って語られるクソゲーが好きだ。
何を言っているのか分からないだろう。私も分からない。
ただ、時にクソゲーとは、ただ単に叩きたい意図であったり、ロクな練習もレベル上げもせず自分がクリアできなければクソゲーと呼ばれたり、酷いとプレイすらしてないのにクソゲーと罵る輩がいる。よろしくない。


クソゲーオブザイヤー、略してKOTYと呼ばれる謎の祭典も存在する。
知らなかったら是非調べてほしい。
説明は端折るが、自分でプレイしないと選考を書いてはいけないルールで、また多くの人々による投票で決められるもので、それなりに良い文脈での「クソゲー」を決める大会である。
いや受賞したところで何の権威も無いけど。
こういう時ネットの有識者ってすごいなと思う。
余談だがエロゲKOTYはマジで一般コンシューマーより半端ない売り逃げ商法やらブランド乱立やらでエグいとすら言える戦いが繰り広げられているので一見の価値がある(?)。


さて、このクソゲーという概念は海外にも存在する。
ゲーム史をかじったことがある人ならATARIショックという単語を知っているだろう。砂漠からクソゲーのカセットが掘り出されたあれである。美術館にそんなもの展示すんな


そんな海外の(時には日本の)クソゲーレビュー動画を出す男達がいる。
私は彼らの大ファンなのである。

 

AVGNって知ってる?

 

Angry Video Game Nerdとは (アングリービデオゲームナードとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ぶっちゃけこのリンク先が、紹介も視聴時の注意も分かりやすい。目を通してほしい。
でもせっかくだから私の言葉で、私が好きな点も述べたい。

AVGNとはAngry Video Game Nard、日本語訳で「怒れるゲームオタク」の略である。
毎回クソゲーを実況し、時にその背景を解説し、辛辣を通り越した評価を下し、寸劇と共に暴れ回る男だ。
過激な英単語、いわゆる四文字語も乱発。だがそこが良い。

彼のオタク度はハンパない。
自宅の撮影室(ゲーム部屋)はもはやゲーム博物館。往年の名ハードから、10本もソフトを出せずに歴史の狭間に消えていったマイナーハードまで文字通り片っっっっ端から揃っている。年々増えている模様。
周辺機器も公式ものからちんちくりんな珍品まで勢揃いしている。

そして知識が深い。自国のサブカルチャー文化はもちろん、日本の特撮もネタになる。
そもそも彼は映画レビュアーでもあるので、有名映画を元ネタにした発言も多い。
観るだけでサブカルチャー知識が身につく。勉強になるぞ。

動画の演出もアツい。元々作者が映像系の人なのもあって、コスプレ・脚本・CGなど、テレビ番組顔負けの演出がなされる。(頻繁に汚い話出るけど!)
しかも年々強化されてる。

ナードの演技力だけではなく、マイク・マテイ通称魔帝が演じるゲストもクレイジーイカしている。この魔帝、タイトル絵も担当しているらしい。多才かよ。
ギターガイのOPもカッコいいのだ!歌詞が最低だけど!!!ちょくちょくアレンジ版も出てくる。

2019年4月26日現在、AVGNの翻訳済み動画は162本ある。基本的に1話完結であるしどこから観ても構わないのだが、最近の作品の方がスタイルも確立されているし画質も良い。AVGN初心者向けエピソードを紹介しよう。

 


EP65・67 Atari ジャガー 前編・後編


AVGN入門に薦めたいのがこれ。ゲームの歴史話から、レトロゲーム入手の苦労、ナードの顔芸、演出の愉快さなどAVGNの楽しさが詰まっている。
緑女など他エピソードでもネタにされる要素も出てくるし。
あと猫がカワイイ。

 

EP118 Big Rigs


伝説のクソゲー。こんなのが2000年代に出てるのが驚き。
エセCMをわざわざ作ったのかと思うと感嘆しかない。

あと猫はやっぱりカワイイ。

 

EP31 バックス・バニー


有名キャラゲー。要約すると着ぐるみのバニーがボコボコにされる。
これのメイキングからは映像制作への真摯な態度と仲間との愉快な交流が見られる。ほのぼのする。ただし本編はめっちゃクソが溢れている(物理)なので注意だ。

番号からお分かりのように比較的初期のエピソードである。後にバニーの逆襲編も出た。


これぞクソ(これこそクソ)EP28 単語の発音


これはAVGNシリーズではないが絶対紹介したい。
AVGN役のジェームズ・ロルフ氏による別作品で、「なんだよこの役に立たないものは!」とキレる短編作品である。
ネイティブでも理不尽に思うなら日本人に分かるかーーー!ってなった。笑う。
他にも氏の作品にはいくつかシリーズがあるので、興味があれば是非。

 


JDGもいいぞ


AVGNはYouTubeを通して大人気になり、彼をリスペクトしたレビュアーは多く現れた。
それはアメリカ国内にはとどまらず、フランスにも登場。それがJoueur Du Grenier (ジュウール デュ グルニエ、日本語訳:屋根裏部屋のゲーマー)、JDGである。

JDGとは (ジェイディージーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


やっぱこのニコ百は読んでほしい。

ジョークがフランスらしいブラックで溢れている。それを理解した上で視聴してほしい。

彼の凄さは、クールジャパンへの愛である。
動画を少し観れば分かるが、部屋のポスターはほとんど日本アニメ。彼は日本作品大好きオタクなのである。秋葉原に来たこともあるらしい。
動画からもフランスのアニメ放映事情などが垣間見えて楽しい。

AVGNの有志翻訳者さんは複数存在するが、こちらはどうやら1人が頑張ってくださっている様子だ。フランスローカルすぎて伝わりづらいネタを日本文化で分かりやすいものに置き換えてくれていて、かなり楽しく視聴できる。翻訳者さんの本業は存じ上げていないが、物凄いセンスの持ち主なのだろう。ありがたい。

おおまかに分けると、クソゲーにキレる本編、名作をコスプレなどしつつネタにするグルニエおじいちゃんシリーズ、アニメなどゲーム以外を取り上げる特別編がある。

 


これが1話。AVGNと異なり、こちらは初心者にはEP1から薦めたい。初期の彼はAVGNが取り上げないようなヨーロッパ限定作品を取り上げており、より日本、そしてアメリカとの文化差を楽しめるからだ。

でもLJNとインフォグラムとか似たようなものが存在するのウケるよね。虹色だし。

あとゲーマーって猫好きなんだろうか。JDGの動画にも飼い猫と思われる猫さんが時々登場する。 

 

これらの作品はゲームレビューとしての楽しさだけではなく、映像作品としても興味深いし、文化紹介としても面白い。英語とフランス語の勉強にもなる。すげえスラングだらけだし役には立たないけど。英語で下痢をdiarrheaと言うのはここで覚えました。


老婆心からおすすめエピソードも紹介したが、結局は好きなところから観れば良い。どうか私の好きな物に興味を持って頂ければ幸いだ。

また、面白かったらYouTubeの本家動画を再生し、是非広告収入を入れて差し上げてほしい。お二人にはこれからもたくさんの動画を出してほしいからである。
また、日本語に翻訳して下さる方々にも、この場でお礼を言わせて下さい。ありがとうございます。

スラングだらけの英語は分からないし、フランス語に至っては全く知らないので、このように他の文化に触れる機会が頂けるのは大変嬉しいことです。

 

話が長くなるのでこの辺で終わらせてもらうことにする。
みんな、良きクソゲーライフを!!!

伝説の10連休GW、楽しんでくれたまえ!!!