亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

人生初のブランド時計を買った話

きっかけは、近所の商業施設の中に入っている時計屋さんの閉店の知らせだった。


幼い時からよく家族で行く場所であり、高校の帰り道には寄り道をしていた施設で、当然時計屋の存在も知っていた。
最近、コロナのせいか飲食店を中心にテナントの閉店が相次いでいる。そして新しいお店が来ることもない。それだけ世間がやせ細っているのだろう。思い出の地の衰退は悲しいことだ。

大学時代、アルバイトの際にスマホで時計を見るわけにもいくまいと雑貨屋で2000円の時計を買ったが、1年半ほどで動かなくなってしまったし、メッキの色も褪せてしまった。デザインは気に入っていただけに残念である。
そもそもそれ以前から、ずっとちゃんとした時計が欲しいと思っていた。しかし決して安い買い物でもない。あちこちのお店を覗いては良いなあと呟く日々だった。

さてそんな日々に飛び込んできた時計屋閉店の報。しかも気づいた時には4日後ときた。
正直に申し上げると、セールをしているのにも惹かれたし…(笑)、何より、1度ここで買い物をしてみたいと思っていたのに、無くなってしまう。私は給料日を待って店に駆け込んだ。
幸い、夏休み繁忙期&緊急事態宣言による繫忙のおかげで、今月の給料は普段の1.5倍くらいあったし、9月は私の誕生月だ。多少の出費も許されるだろう!あとは今の転職活動の願掛け。まあ要するにプータロー一歩手前非常勤の底辺人間でも、多少の贅沢をしたい日もある。
いやマジで福祉業界の夏休みは記憶が飛ぶレベルで忙しかったです。

 

店は既に半分以上からっぽで、レディース腕時計に関してはトータルで15本も無かったと思う。
いつも通り社交不安で店員と話すのが苦手で上手く喋れないながら、気になる2本を試着させてもらうことにした。
「総チタンだから見た目よりずっと軽いんですよ」とガラスケースから取り出された時計は、確かに軽く付け心地がよさそうで、そしてケースの中にいた時より美しかった。ケース越しには気づかなかったが青い時計盤は近くで見ればオパールのような遊色効果を持っていた。白蝶貝だそうだ。
色々なお店で時計をそれこそ指をくわえて眺めていたが、貝の盤面のやつ良いな~~~と思っていたので、手が震えだすくらい心が奪われてしまった。
それに寒色が好きな私としては、いかにも女性もの!というピンクではなく青なのもよかった。そして他の女性ものの時計より一回り大きく、言ってしまえば多少ゴツいのも気に入った。文字盤が大きければ読みやすいし、露骨な女性ものを身に着けるのに多少の抵抗があるので、お洒落時計ならともかく「きちんとした時計」としてはユニセックスな物の方が嬉しかったからだ。
もう1本の時計も続けて見せてもらったが、私は1本目に完全に心奪われていた。本当に一目惚れだった。

通常、私は大き目な買い物をする際即断即決は避けていて、1度家に持ち帰って検討して後日買いに行く、というスタイルを取っている。通販にしても1か月単位の熟考をすることがほとんどだ。それで売り切れることもあるから笑ってくれ
でも、今回は本当に惚れ込んでしまった。閉店したら近所にいよいよ時計店が無くなるから買えない、とかではない。これは良いものだと深く強く感じた。
……4割引きでも4万5千円なのだけが、だいぶ悩みどころだったが。

一応、予算は3万円台のつもりだった。ちなみにもう1本見せてもらった方はこの条件を満たしている。
私は店頭で時計を持たせてもらいながら、悩んでいた。見れば見るほど惚れ惚れした。
1万5千円オーバーとは、決して安くはない。
どちらの時計も、私が最低限欲していた機能(ソーラー、防水)はスペックの違いこそあれ揃っている。あとはもう好みの問題。
まぁ悩んだ。とにかく悩んだ。
悩んだ末、自分への誕生日プレゼントだ!やっぱり気に入ったものが一番!を言い訳に奮発することにした。

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遊色効果を上手く写すのが難しい。



店員さんが「一生モノになる良い時計ですよ」と仰ったので「大事にします」と社交不安丸出しの小さい声で答えた。

せっかくなので着けて帰ることにした。暗闇で時計の針が光っているのを見て、うんうん、こういう利便性大事だなと自分の選択に満足して帰路についた。
(買ったとき蓄光機能付いてるの気づいてなかった)


帰宅してから、時計のブランドを調べた。一応、シチズンやらオメガやらセイコーといった主要メーカー名は知っているが、如何せんファッションにも何にもとにかく疎いのでブランドを知らない。というか、時計に限らずメーカー=ブランドだとつい最近まで思っていたくらいで、メーカーが複数ブランド打ち出してること自体知らないレベルの無知。
店員さんからも「良いものです」「人気です」「池田エライザさんがモデルをしているんです」とか色々教えてもらったが芸能界は詳しくないしあがり症が災いして全く頭に入っていない。

 

SEIKOのLukia。1995年誕生、ということは私と同い年だ。なんだか縁を感じる。

Lukia(セイコー ルキア) | ブランド | セイコーウオッチ


公式サイトに、

女性の腕時計が主にアクセサリーとしてとらえられていた時代。
ルキアは、自分らしく生きるための実用ウオッチのパイオニアとして誕生しました。

とあった。なるほど。私が惹かれた理由がちょっと分かる気がする。

時計は好きだし、金銭に余裕が出来れば集めるのをいつか趣味にしたいと思っている。
それでも、今回の時計は生涯特別な一本になるのだろう。
あちこち連れ出す相棒にしよう。



21/10/13 追記

なんとこの時計をつけて初めて臨んだ面接で内定を頂いてしまった。

ほぼ年単位で苦しんでいた転職活動が、あっさりと終わったのである。願掛けどころの騒ぎではない。

この時計は幸運の女神なのかもしれない。

現職はこんな高級時計をつけたら壊されそうな仕事なので連れ出せていないが、次の仕事では目いっぱい相棒と一緒に働く所存である。