亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

自分の知能検査の結果を読み解いてみる

 

※この記事は参考として幾つかの過去記事や他サイトのリンクを貼っている。
可能な限りこれだけ読んでも誰にでも分かるように作るが、どうしても専門用語が出てきてしまうのと、私がどのような特性を持つ人物で、何を問題として検査を受けたかを分かっていた方が理解度が上がるからである。でも全部読むと長い。ごめんなさい。

 

先日受けたウェクスラー知能検査の結果が出た。


この記事の目的は主に3つだ。

  • WAIS-IVの日本語版は出て間もなくあまり記事にしている当事者がいないため、ネットの海への情報蓄積
  • 知能検査というものの読み方をしょぼいなりに紹介し、誤解を解く
  • 私の感想まとめ


臨床心理学を専攻し、一応大学院を目指す者として、知能検査への正しい認識を皆様に広めたいと考えている。
それにより発達障害をはじめとする障害者への正しい理解も深まり、私が生きやすくなる!!ヤッタネ!!!

以上、お付き合いいただければ幸いである。 

 

kameno-ryo.hatenablog.jp

 

知能検査を受けた経緯は過去の記事を参照。
アスペルガー障害を筆頭に、発達障害の可能性を薄々感じていた、ということが分かればだいたい合ってる。

 

医師から貰った結果説明書の検査目的には
「本検査は、知能査定を目的とするものではなく、問題解決能力やその際のいつものパターン、集中力や諦めやすさの度合いを見ること、また能力的に顕著なばらつきがあるか否かを確認し、適応力を検討することを目的に実施しました。」
とあった。

 

WAIS-IV

WAIS自体は有名な検査であるが、その最新第4版では下位尺度が変更されて「言語性IQ」「動作性IQ」の数値が出なくなった。

その為従来式の知識だとちょっと読みづらい。
代わりに出るのが「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの尺度である。
この4つについては以下の記事が分かりやすい。
発達障害者支援を専門にされている企業様の記事である。

大人の知能検査WAISを読み解く : 診断・特性 - 株式会社Kaien


ざっくり言うと
言語理解=語彙力、知識を積み重ねる力、及びそれを適切に使う力
知覚推理=目の前の課題を考える力、ひらめき
ワーキングメモリー=短期記憶能力、情報の整理能力
処理速度=機械的な作業を正確にこなす速度

である。用語上は言語理解と言ってもイコールで国語能力という訳でもない。この辺説明が難しいな……

ワーキングメモリーと対にして長期記憶と言うとちょっと分かりやすいかもしれない。


さて、ここからは私の数値を読み解いてみよう。


かめののWAIS-IV結果

全検査IQ 124
言語理解 139
知覚推理 116
ワーキングメモリー 109
処理速度 105

グラフにするとこう。
突貫で作ったけど、青線が私の成績、赤破線が平均の100。

緑の点が全検査IQ(124)だ。

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スゲー偏ってる(笑)
いくつか心理士さんの所見を引用しながら解説しましょうかね。


まず全検査IQは一般にIQと言われる数字。芸能人のIQとかで話題になるのもこれ。
つまり、全体的な知能。

平均は100。
そして±30が統計上の正常範囲であり、例えば100-30で70を下回ると知的障害のボーダーラインとなる。
反対に100+30の130で天才的と言われる値。噂程度だがメンサのボーダーだと言われたりする。更に噂で東大生の平均は120だとかなんとか、まあネタ半分に聞いといてほしい。

この100±30の範囲に、約95%の人間が含まれるようになっている。
普通でない、という意味では低いのも高いのも異常値ではある。上位下位2.5%を
外れ値なんて呼び方をする。

詳しくは「正規分布 SD15」「正規分布 2SD」あたりの用語でおググりください。


で、更に分かりやすくするために出た数値を10刻みで分類していく方法もあるようだ。(今回の結果用紙には10刻み分類も載っていたのだ)
これだと±20を正常値としている。例えば100-20の80は法律上知的障害にならないことが多いのだが(診断は-30で70前後が目安)、じゃあ80でそのまま生きていけるかといえば不都合も多いだろう。工夫がいる。いわゆるグレーゾーンの概念である。

私は124なので、高い方である。superior rangeと書いてあった。
(superior=優れた、上位の)
高すぎるという意味では異常範囲である。
しかし一般に、そしてこれは知能以外でも言えることだが、足りなすぎることは障害とされるが多すぎる分には障害扱いにならないことが多い。
生きづらさはあるが。


下位尺度の読み方も全検査IQと変わらない。±10ずつで分類する。
つまり、言語理解はかなり高く、知覚推理もまあまあ高いが、ワーキングメモリーと処理速度は平均的ということである。

ここで注目すべきというかまず目がいくだろうところが139の言語理解である。
見たとき私はフリーズした。アホみたいに高い。
先ほど±20までが正常値と言ったが、±30はメンサだし、±40行くととんでもない才能の持ち主である。

IQ130以上は“very superior range”となり、かなり優れた知能となる。
それを考えるとほぼ+40の139とはぶっちぎりの数値だ。
さすが昔から模試で国語だけ東大レベルとか言われてただけある。
言語だけならメンサ余裕で入れるじゃん。
先述の通り言語理解はいわゆる「学校でのお勉強能力」につながりやすい。学者向きとさんざん言われてきたもんなぁ……。

次、116の知覚推理もそれなりに高い。平均からは逸脱しているがまあギリ正常というところ。


ここからがある意味本題だ。
109のワーキングメモリー、105の処理速度。
これらはとても平均である。多少優れてるけど平均である。

平均である……これが問題なのだ。


一般的な社会においてIQというのはクイズ番組の流行などからか、
なんとなく他者比での高い低いのみが比較される。
某芸能人は130超えてる天才!さすが他の回答者とは違うね!みたいな。
しかも取りざたされるのは大抵全検査IQのみで、下位尺度は話題にならない。
大掛かりな検査受けないと出ないから当然ではあるけど。

でも、知能検査を受ける時に気にするべきは数値の絶対値ではなく、
そして他者との比較でもなく、
「自分の中の得手不得手」の開きがあるかということである。
私の場合、天才的な言語理解能力に比べてみればワーキングメモリーと処理速度は著しく低いと言える。
心理士さんの所見はこう。


「言語的な能力が非常に高い分、そのレベルで他の能力も求められてしまうため、その期待に応えようと無理をしてエネルギー切れを起こす可能性があり、それが不適応を引き起こすことがあり得ます。」


つまり、出来の良い言語能力が目立ち、絶対値で言えば平均的なワーキングメモリーと処理速度は相対的に低く見えるので
「亀野さんは言語知能は高いのに、なんで他のことは出来ないの?」

もっと身近にあり得る言い方なら
「亀野さんって頭の出来は良いみたいなのに、なんでそんなにドン臭いの?」
ということが起きがちなのである。

親に「頭でっかち」と言われるのはこれの典型例ですね。

 

例えば、電話番号を口頭で教えてもらってから電話をかけに行くのが苦手である。
耳で番号を聞いて、それを保持しつつ電話機の場所まで歩き、入力する……この作業は典型的なワーキングメモリーの出番である。
そしてそれが私はそこまで得意ではない。
口頭での言いつけもすぐに忘れる。今まで何度もそれで叱られてきた。

これが極端な話、全部の能力が平均的か、あるいは低いくらいなら、周囲も「まああいつだしな」で諦めてくれる部分がある。
しかし、なまじ部分的に出来が良いので
「こいつ出来る時と出来ない時の差がおかしい。サボってるんじゃないか?」

「やりたいことだけ元気な奴だね憎たらしい」
という勘違いが起こる。

実際は場面ごとに要求される能力が異なり、私の得意分野で処理出来るかそうでないかという話で常に私は全力投球なのだが、普通そんなこと考える人は(残念ながら)少ない。普通の人、定型発達の人はどれもそれなりに平均的に出来るのが当然だから。
そして、自分でも「自分は気合いややる気が足りないのかも」と思ったりする。
それがストレスの引き金になりやすいという話なのである。


このような話や言い方をすると、自慢のように聞こえるとか、出来ることがあるだけいいじゃないかという声もあるだろう。
しかし、ここは「言葉を選ばない雑記帳」なので、謙遜とか婉曲表現とかは抜きにして、端的に分かりやすさを優先に書くことにしているのでご容赦頂きたい。
変な意図は全く無い。
自分の数値を出しているのも、手頃な解説サンプルとしてである。
ってか教科書通りすぎる偏り方しててサンプルとして最高なのである。生きづらさも最高だ。


本題に戻ろう。
WAISは単に採点するだけのテストではなく、答える時の態度、間違いの頻度なども記録している。
それら全てを受けて上述の得点の他にも以下のような結果が出された。

  • 社会的常識や規則、倫理や道徳は身についている
  • 知的好奇心の幅は広く学ぶことに貪欲
  • 言語の連想力や流暢さに優れている
  • 集中力や注意力に恵まれている
  • 聴覚情報より視覚情報の方が得意
  • 聴覚情報処理は複雑になると集中が乱れる
  • 全体的な能力は平均~平均以上だがバラつきが激しい


なるほどわかる。

納得がいく昔話を一つ。

中学生の頃、英単語の練習に意味を見出せずイライラしていた。
私は教科書や単語帳を「目で見て」覚えるタイプだった。よく読むことで覚えていた。
しかし、新出単語の度に必ずやらされる「書き取り」。

最低でも5回は繰り返し書かねばならず、これを教科担任に提出する。
だが、私は書くのが嫌だった。何度も何度も書いてる暇があるならその時間、教科書を何度も何度も「読む」ことに当てたかった。

appleapple……、えーと、app……le、アップ……ルと書く時間に、
appleappleappleappleappleappleappleappleappleappleapple!!!くらいは読める。
その方が効率も覚えも良いのにと思っていた。
無駄な作業をさせるなよと内心思っていたが、提出は必須で成績にも響くので仕方ない。
英語に限らず「手で書いた方が覚えるよ」と言われるシーンは多く、その度に「でも私は読む方が楽なんだ」と答えるのが面倒だった。
だって皆「それでも書いた方が覚えるんだって!」としつこく勧めてくるから。
大学の受験勉強もノートは使っていない。書くのに疲れるからだ。


これはおそらく、私の言語理解能力と処理速度の大きな開きから生まれた葛藤である。
IQ139による言語理解で英語を読んだり暗記したり理解する速度が、IQ105の処理速度を使って単語を繰り返し書くという機械的な作業より速すぎたのだ。


俗説だがIQが20異なると会話や思考が噛み合わないという話がある。
これを信じるなら、私の言語理解能力はその他の能力と噛み合っていない。
他が悪いのではない。奴が高すぎるのだ。
二番手116の知覚推理でさえ、139の言語理解とは23の差が発生する。
処理速度に至っては34も差がある。
私という一個人の中で、一つの能力と他の能力が分かり合えていないのである。

また俗説を引っ張り出すなら私の中には東大生と凡人が同居していて、一般人は東大生の足を引っ張り、東大生はそんな一般人にイライラしている。
面倒くさいな。ガンダムじゃないけどもっと対話しろよ。


このような分析をするのが、知能検査の真骨頂である。
面白いね!私はこういう考え事や、それをこのように文章に書き出すのが大好きだ。
まぁ好きかどうかはともかくとして、私の能力のアンバランスさやそれによって起こるしんどさ。
これらが知能指数によって、単なる私の「しんどい」とか「こういう経験が」という語り(ナラティブ)だけでなく、多少は科学的に捉えられただろう。

 


テストバッテリー

他の検査も合わせて受験している。
私の性格、思考パターン、自閉傾向についてetc.

こだわりの強い思考、
良くも悪くも強すぎる自己理想像、そこからもたらされる葛藤と人生への原動力
劣等感や後悔の目立つ自由記述
興味さえあればとことん究められるがそうでなければ全く持てないという偏った興味関心


そして諸々をトータルして出された結論の一つはこうだ。


自閉症スペクトラム障害が存在する可能性は十分に考えられます。」


この言葉は、実質確定診断のようなものだ。

もし私が「障害者手帳必要になったので診断書出してください」と主治医に言えば、主治医は出してくれるだろう。気分障害併発してるし。
しかし診断書を正式に出すには数千円のお金、そして時間がかかる。
現時点、金と時間を割いてまで診断書を書くメリットが無いのだ。
だから出さなかった。それだけ。
もしかしたら今後、障害者雇用枠を使いたいとかあったら取るかもしれない。


私は自閉症スペクトラム障害、いわゆるアスペルガー障害であったのだ。10年以上察してたから驚かないけど。
中学の担任が「そういった子も含めて色々なお子さんを見てきました。亀野さんは大丈夫ですよ」って親に言ったのは何だったのかとも思うが、
それは心理士さんの


「全体的な知的能力を平均以上有していることから、その能力の高さでなんとか社会生活を乗り越えることが出来ていたと考えられます」


というコメントが全てである。

特に学校という場所はちょっと変わり者でも、勉強が出来て(むしろ少しくらい出来なくても)、生活態度が良ければそれだけで「優等生」になれる。
私は典型的優等生だった。くそ真面目に制服をきっちり着ていたし、学問も凸凹はあっても中学時代は概ね問題なかった。
だから学校の先生的には「良い生徒」だったのである。
生徒に流行の制服の着方が許せなくても、短いスカートが嫌いで皆に合わせられなくても、真面目な自分をしっかり持っている子という認識で済む。
要するに、先生や親といった大人から見て厄介な方へ変わっているのでなければ問題視されない。
非行をするタイプの病気や障害なら早期発見や治療が大事にされるが、そうでなければスルーされがちだ。


しかし、一般社会に出るとそうもいかない。
なんでも広く「それなり」には出来ることが求められるし、
多くの人間の中に馴染める力が求められ、
時には柔軟に周囲に合わせる能力が必要だ。 

私は
尖った能力はあるけどその分出来ないことがあり、
一般人からは浮いてしまう視点と思考の持ち主で、
こだわりが強く、それを曲げることが難しい。

 

ってか疲れるんだよ。出来ないものを誤魔化すために使える能力をフル稼働どころか300%で常に回し続けているのだからオーバーヒートもいいとこだ。


私のような人間が無対策で一般企業の事務とか営業とかに就くとトラブルやストレスの元になるし、仕事自体は出来ても人間社会というものに上手く馴染めなかったりする。
実際、自分の信念へのこだわり故に辞めたことがある。原因が特殊だしこれを良い悪いで考えるのは難しいが、無収入期間もできてしまったし余計な苦労は背負った。


こういった問題を全て障害のせいにするのは卑怯だろうし、そこまで思ってはいないが、
科学的・医学的・心理学的にこのような結果が出たことに、少しホッとしている。

 

以下、感想

※ここからはただの感想です。
今まで以上に科学も心理学も専門話も無いので、興味が無ければ読まなくてもいいところです。


最初の感想は「なんだ思ったより低い」「MENSA入れねー残念じゃ~ん」だった。

というのも、私の小学校からの旧友がIQ127だし、その旧友の知り合いが130とか140って人がごろごろいらっしゃるものだから、思いの外低いじゃねーかと思ってしまったのである。
冷静に一晩寝てから「いやそんなこと言ったら怒られそうだな」と思い直した。
124でも特異な数値ではあるし、活かせれば強みだがそうでなければ生きづらい。

類友的なバイアスがかかって、私(正確には127の友人)の周りにそういう人が集まりやすいだけなんだと思う。

あとMENSA入りたかった。
ステータスには興味は無い。単純に自分と似たような傾向の人が集まる場所に行ってみたかったのだ。
入会テストが私の苦手ジャンル(図形からのパターン推理とか)が多いと聞くので、言語で高得点を出して苦手の穴を埋め、知能検査結果で入会したかったのである。
埋めきれない穴だった。


学習障害が無かったのは意外だったかもしれない。
数学は万年赤点だし、算数ならそれなりに出来るのだが、未だに暗算が苦手なのでちょっと気にしていたので。
これについての説明はつかないでもない。
これは計算能力よりワーキングメモリーの問題と見なされたのかもしれない。繰り上がりを記憶しつつ上のケタの計算が出来ないという話。
あとはやはりある意味病的に高すぎる言語と比較したらどうしても算数能力が低いので、私自身国語と同水準を求めてしまうのだろう。算数が低いのではなく国語が高すぎる。
「一応死なない程度には出来てることにして気にしない」のが一番の対策なのだ。

数学の偏差値9.8事件も、国語能力で数学の穴を埋めて無理矢理進学校に入ったようなものだから、
大多数の「全体的にそれなりに出来る人」から算出された学内平均値からは外れた値が出ることになる。


心理士さん曰く、「向いてそうな職業は大学教授」とのことだった。
これは大学時代にゼミの担任にも言われていた。
ってか知人全員に言われる。
別に教授というものを悪く言うわけではないが、それだけ私には学問バカの傾向があるらしいよ。

得意なことを主に一人で、黙々と延々と出来ることとなると研究者になるということか。

 

変人でも生きていける場所を探そう。と決意した。

はあ、研究室に引きこもりたい。

 

2021/7/23 文面を読みやすいように多少改訂しました

君はAVGNとJDGを知っているか

クソゲー
貶し言葉ではあるが、時に愛を持って語られるよく分からない言葉。
世の中には、これを好んで(?)プレイする猛者もいるとかいないとか。


私は愛と客観性のある文脈でのクソゲーが好きである。
智を持って語られるクソゲーが好きだ。
何を言っているのか分からないだろう。私も分からない。
ただ、時にクソゲーとは、ただ単に叩きたい意図であったり、ロクな練習もレベル上げもせず自分がクリアできなければクソゲーと呼ばれたり、酷いとプレイすらしてないのにクソゲーと罵る輩がいる。よろしくない。


クソゲーオブザイヤー、略してKOTYと呼ばれる謎の祭典も存在する。
知らなかったら是非調べてほしい。
説明は端折るが、自分でプレイしないと選考を書いてはいけないルールで、また多くの人々による投票で決められるもので、それなりに良い文脈での「クソゲー」を決める大会である。
いや受賞したところで何の権威も無いけど。
こういう時ネットの有識者ってすごいなと思う。
余談だがエロゲKOTYはマジで一般コンシューマーより半端ない売り逃げ商法やらブランド乱立やらでエグいとすら言える戦いが繰り広げられているので一見の価値がある(?)。


さて、このクソゲーという概念は海外にも存在する。
ゲーム史をかじったことがある人ならATARIショックという単語を知っているだろう。砂漠からクソゲーのカセットが掘り出されたあれである。美術館にそんなもの展示すんな


そんな海外の(時には日本の)クソゲーレビュー動画を出す男達がいる。
私は彼らの大ファンなのである。

 

AVGNって知ってる?

 

Angry Video Game Nerdとは (アングリービデオゲームナードとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ぶっちゃけこのリンク先が、紹介も視聴時の注意も分かりやすい。目を通してほしい。
でもせっかくだから私の言葉で、私が好きな点も述べたい。

AVGNとはAngry Video Game Nard、日本語訳で「怒れるゲームオタク」の略である。
毎回クソゲーを実況し、時にその背景を解説し、辛辣を通り越した評価を下し、寸劇と共に暴れ回る男だ。
過激な英単語、いわゆる四文字語も乱発。だがそこが良い。

彼のオタク度はハンパない。
自宅の撮影室(ゲーム部屋)はもはやゲーム博物館。往年の名ハードから、10本もソフトを出せずに歴史の狭間に消えていったマイナーハードまで文字通り片っっっっ端から揃っている。年々増えている模様。
周辺機器も公式ものからちんちくりんな珍品まで勢揃いしている。

そして知識が深い。自国のサブカルチャー文化はもちろん、日本の特撮もネタになる。
そもそも彼は映画レビュアーでもあるので、有名映画を元ネタにした発言も多い。
観るだけでサブカルチャー知識が身につく。勉強になるぞ。

動画の演出もアツい。元々作者が映像系の人なのもあって、コスプレ・脚本・CGなど、テレビ番組顔負けの演出がなされる。(頻繁に汚い話出るけど!)
しかも年々強化されてる。

ナードの演技力だけではなく、マイク・マテイ通称魔帝が演じるゲストもクレイジーイカしている。この魔帝、タイトル絵も担当しているらしい。多才かよ。
ギターガイのOPもカッコいいのだ!歌詞が最低だけど!!!ちょくちょくアレンジ版も出てくる。

2019年4月26日現在、AVGNの翻訳済み動画は162本ある。基本的に1話完結であるしどこから観ても構わないのだが、最近の作品の方がスタイルも確立されているし画質も良い。AVGN初心者向けエピソードを紹介しよう。

 


EP65・67 Atari ジャガー 前編・後編


AVGN入門に薦めたいのがこれ。ゲームの歴史話から、レトロゲーム入手の苦労、ナードの顔芸、演出の愉快さなどAVGNの楽しさが詰まっている。
緑女など他エピソードでもネタにされる要素も出てくるし。
あと猫がカワイイ。

 

EP118 Big Rigs


伝説のクソゲー。こんなのが2000年代に出てるのが驚き。
エセCMをわざわざ作ったのかと思うと感嘆しかない。

あと猫はやっぱりカワイイ。

 

EP31 バックス・バニー


有名キャラゲー。要約すると着ぐるみのバニーがボコボコにされる。
これのメイキングからは映像制作への真摯な態度と仲間との愉快な交流が見られる。ほのぼのする。ただし本編はめっちゃクソが溢れている(物理)なので注意だ。

番号からお分かりのように比較的初期のエピソードである。後にバニーの逆襲編も出た。


これぞクソ(これこそクソ)EP28 単語の発音


これはAVGNシリーズではないが絶対紹介したい。
AVGN役のジェームズ・ロルフ氏による別作品で、「なんだよこの役に立たないものは!」とキレる短編作品である。
ネイティブでも理不尽に思うなら日本人に分かるかーーー!ってなった。笑う。
他にも氏の作品にはいくつかシリーズがあるので、興味があれば是非。

 


JDGもいいぞ


AVGNはYouTubeを通して大人気になり、彼をリスペクトしたレビュアーは多く現れた。
それはアメリカ国内にはとどまらず、フランスにも登場。それがJoueur Du Grenier (ジュウール デュ グルニエ、日本語訳:屋根裏部屋のゲーマー)、JDGである。

JDGとは (ジェイディージーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


やっぱこのニコ百は読んでほしい。

ジョークがフランスらしいブラックで溢れている。それを理解した上で視聴してほしい。

彼の凄さは、クールジャパンへの愛である。
動画を少し観れば分かるが、部屋のポスターはほとんど日本アニメ。彼は日本作品大好きオタクなのである。秋葉原に来たこともあるらしい。
動画からもフランスのアニメ放映事情などが垣間見えて楽しい。

AVGNの有志翻訳者さんは複数存在するが、こちらはどうやら1人が頑張ってくださっている様子だ。フランスローカルすぎて伝わりづらいネタを日本文化で分かりやすいものに置き換えてくれていて、かなり楽しく視聴できる。翻訳者さんの本業は存じ上げていないが、物凄いセンスの持ち主なのだろう。ありがたい。

おおまかに分けると、クソゲーにキレる本編、名作をコスプレなどしつつネタにするグルニエおじいちゃんシリーズ、アニメなどゲーム以外を取り上げる特別編がある。

 


これが1話。AVGNと異なり、こちらは初心者にはEP1から薦めたい。初期の彼はAVGNが取り上げないようなヨーロッパ限定作品を取り上げており、より日本、そしてアメリカとの文化差を楽しめるからだ。

でもLJNとインフォグラムとか似たようなものが存在するのウケるよね。虹色だし。

あとゲーマーって猫好きなんだろうか。JDGの動画にも飼い猫と思われる猫さんが時々登場する。 

 

これらの作品はゲームレビューとしての楽しさだけではなく、映像作品としても興味深いし、文化紹介としても面白い。英語とフランス語の勉強にもなる。すげえスラングだらけだし役には立たないけど。英語で下痢をdiarrheaと言うのはここで覚えました。


老婆心からおすすめエピソードも紹介したが、結局は好きなところから観れば良い。どうか私の好きな物に興味を持って頂ければ幸いだ。

また、面白かったらYouTubeの本家動画を再生し、是非広告収入を入れて差し上げてほしい。お二人にはこれからもたくさんの動画を出してほしいからである。
また、日本語に翻訳して下さる方々にも、この場でお礼を言わせて下さい。ありがとうございます。

スラングだらけの英語は分からないし、フランス語に至っては全く知らないので、このように他の文化に触れる機会が頂けるのは大変嬉しいことです。

 

話が長くなるのでこの辺で終わらせてもらうことにする。
みんな、良きクソゲーライフを!!!

伝説の10連休GW、楽しんでくれたまえ!!!

就活はそういう儀式として割り切っていくのが最善である


変な経験というか、ポンコツ出来損ないエピソードの絶えない私だが、その中でも酷いものの一つが「バイトに受からない」である。

大学入学後、様々なバイトの面接を受けた。
金欠だし、何より親の圧力がもの凄かったから。
カフェ、ゲーセン、雑貨販売、ドラッグストア、ファッション、100均、書店、食料雑貨……おそらく居酒屋と塾講以外の学生が応募しそうなバイトはあらゆる業種で受けた。しかしどこも落ちた。

2年の冬に一度個人店のパン屋のオープニングに採用されたが、半月も経たずに夜の営業時間の変更に伴いリストラを食らった。
いや~大学生のうちにリストラを経験するとは思わなかったなぁ~~~夜に客が来なさそうだってもっと計画的に店を作れよぉ~~~!!!
以降、個人店舗の求人を信頼していない。

その後も落ちに落ち続け、3年の冬にやっと衣料・雑貨販売の駅ビルテナントに採用され、1年ほど働いた。
あと2年の夏から公立小学校の土曜授業アシスタントもしていたが、月1で雀の涙だったので脇に置いておく。


トータルでは30ヶ所以上落ちている。
もはやバイト面接のプロである。(下手だから落ちているのだが)

金の為にと、対人不安が強かろうと受けた。上がり症が酷くても受けた。体調が悪くても、鬱だろうがとにかく応募を乱発した。
あらゆる業種で落ちるので、「私は社会のどこからも必要とされていないのではないか」と落ち込んだ。

一応、日雇いの倉庫作業(面接なんか無い登録制)を必要に応じてやってはいたが、必ず仕事に入れる訳ではないし、基本的に1日がかりなので学校帰りに働くということが困難だった。早く安定したかった。


そんなあまりにもバイト選考に飽き飽きした私が、とりわけウゼェと思ったことをいくつか書こうと思う。
これは最近している就活のネタも混ざっている。

 

履歴書

頭から就活を否定しにかかって申し訳ない。手書きで毎回書くのだ。今時印刷でもいいだろうと思う。
用紙もタダではない。100均の履歴書用紙ですら生活を圧迫していた時期がある。
写真も安くない。学内の割安証明写真機でも500円で4枚。コスパ最悪である。
スマホになってからはアプリとコンビニプリントも駆使した。しかしマナー的にスマホはダメとか書いてあるサイトもある。
正直一番滅んでほしい文化No.1。

今やってる就活の写真は一応写真屋に撮ってもらったものなので数千円する。焼き増し安く済むとはいえ……。
面接の交通費だって痛いのに。勘弁してくれ。

 

面接の意味不明な質問達

無意味、無価値なことは嫌いだ。そんなものに時間を取られたくはない。


「なぜこの求人に応募したのですか?」
金が欲しい。
学校帰りの定期圏内で、自分の出来そうなところで働きたい。
それだけなのに、その言葉をキラキラした埃で飾り付けることを強要される。そしてこれはラメパウダーですと言い張るのだ。
『学費を~~~本業は学業ですので~~~駅から近く~~~普段から覗いていて憧れのお店~~~』
特に学生のバイトなんて全員同じだろ。いや就活も結局はそうだろ。おまんまのお金欲しいだけなのに。
こんな文章考える暇あるなら学内図書館で専門書が読みたかった。


「ご家族の職業は何ですか?」
家族構成の質問はまぁ譲ろう。もし子どもいたら急に休まれるかもしれないからな。(そもそもその風潮が悪いというのは置いておく)
でも職業って。家族の?
しかも、弟がバリバリのニートなので言いづらい。言いたくない。
母は保険の営業員。悪い仕事ではないが、勧誘を恐れられて引かれたら嫌だし、世間にはクソみたいな偏見も転がっているのでこれも親しい人以外には言わないことにしている。
しかし咄嗟に嘘をつけるほどの器用さが無い。それが出来たらいいのに。
別にこれのせいで落ちるとか無いと思うけど、無駄な気疲れをしたので馬鹿正直は損をする。
今度から全員会社員って言おうかな。深堀りされたら詰むけど。


「よく分からない深掘り」
前項でも少し触れたが、「それはつまりどういうことですか?」という質問が嫌いだ。
どうもこうもそうとしか言いようがない。私は最善な言葉を選んで答え、履歴書に書いた。
私が書くのが絵画だろうがデジ絵だろうが関係ないだろ。
そもそも埃のラメパウダーなんだから。
瞬時の対応を見るためだとか言うけど、そのスキルはどこで役立つのか。客を誤魔化すスキルか?


「趣味・特技」
学生が就活の履歴書で悩みやすいと言われる項目である。
私は昔から読書が大好きだ。特に大学生の間は心理学の本を読みまくっていた。
しかし、読書はこの欄に書いてはいけないとよく言われる。うるせぇ。
仕方ないので創作活動なら何でもやります、とか相手の気を引けそうなこと、かつオタクだと言わなくても済むものを適当に喋る。
読書で思い出したが、書店の面接を受けた際に「最近読んだ本は何ですか?」と聞かれたので「松本俊彦先生の『自傷行為の理解と援助』です。あくまで中立な視点から患者へ寄り添う姿勢が見えて、感動しました(要約)」と言ったら変な顔をされたのもイライラする思い出だ。何も小説だけが本ではないだろうに。それでも本屋の店長かよ。
心理学部生が心理学の本を読んじゃ悪いか。

この文脈で紹介して申し訳ないが、松本俊彦さんの本は医者以外にも心理士、学級担任、親などあらゆる援助者としての姿勢が学べるのでおすすめである。私が学生時代に本を通して出会えた偉大な先生だ。一度は講演会に行きたい。


「どうして臨床心理学科を選んだのですか?」
その情報必要ですか?

正直この一言に尽きるが、もう少し言わせてもらおう。
私が心理学を選んだのは、いじめのトラウマに勝てないことと、自分が病みに病んで、壊れて、それでも周りが助けてくれないどころか助けを求めることを禁じられたからだ。自力で立つために自分の闇を科学的・客観的に見つめたかった。
……こんな話聞いて楽しいかよ。クソが。私も話したくない。
これについては一応、外面用の回答は用意していて、内容は嘘ではないのだがやはり隠し事しているようで不愉快だったし何よりやっぱり無意味な質問だなと思うと吐き気がした。
っていうか、テンプレ用意されてるの分かってて聞いてるよね?って類の質問って全部嫌い。
あと学校の選択理由もちょくちょく聞かれるけど、本命落ちて慌てて3月入試で心理学あるとこ探して、志願期限ぎりぎりにそのうち1つとちょっと感動的な出会いをしただけなので話すこともない。
誰もが計画的な人生を歩んでると思うな。


「最近気になったニュースは何ですか?」
この日の朝、殺人事件の犯人が「発達障害心神喪失だった」と無罪主張したというニュースを見たのでそのまま答えた。だってインパクト強かったんだもん。心理学科だし。
失望した顔って見えてるからね?
何期待してた?経済とか?政治とか?
いや私も言うの躊躇ったけど、朝のインパクトでこれしか頭に入ってなかった。

 

あと鬱の通院隠すのも辛かった。健康状態について聞かれても、不利になるのが分かってて言える訳無い。 
学校は休んでないし、就業にも影響はまず無いだろうけど、親にすら拒まれた事実を言うのは無理だった。

 

要するに就活ってか社会でで必要とされるであろう、
着飾るスキル(言葉も化粧も)
どうでもいい質問を元気ににこやかに答えるスキル
普通の人を演じるスキル
必要な嘘にいちいち傷つかないスキル

が皆無なのだ。精一杯頑張ってはいる。
いや社会をdisってはいない。ごめん多少disった。
でも私が適応出来ないのが一番悪い。
私の変な正義とこだわりのせいで嘘がつけない。だから着飾れない。
自分を良く見せようということが出来ないのだ。

 

生きるの下手くそ。

 

間違いなくこういうところ見抜かれて落とされたんだろうな。
でも、それならどこで生きていけば良かったんだろう。

 

 

余談だがこの記事の下書きタイトルは「就活はクソ」とあまりに酷かった。

WAIS-IVを受けた話 後編

 

 

kameno-ryo.hatenablog.jp

 

前編。
要約:あまりに生きづらいから検査受けることを決意したよ。


受けたのは3月下旬。予約したのが2月の定期通院の時だから、1ヶ月くらい後になったのかな。あまり待たずに受けられた。
2日間に分けて実施するのだが、平日しか検査を行っていなかったので社会人は大変だと思う。こういう検査に興味があるなら時間の都合がつけやすい学生の方が良い。早期発見のためにも。なお私は休職中である。


私が受けたのはウェクスラー式知能検査成人版の最新第4版。略してWAIS-IV。日本語版は2018年に出たばかりの新しいテストだ。ただし原典の英語版はもっと古い。
これは最も一般的な知能検査の一つである。(他はビネー式、キャッテル式が有名どころ。全部作った人の名前。数値の出方がちょっと違う。)
おそらく心理学部の学部生が習い、実習や読み解きをさせられるテストがこのウェクスラー式である。私もやった。
3版から構成が結構変わったのは、まあどこか他のサイトや専門書に説明を任せたい。今回書きたいのは主に感想なので専門的説明は省いていこう。専門バカは説明が長くなりがちだから。


受けたのはかかりつけの某大学病院。こういうとき常勤のカウンセラーのいる病院は便利だ。
知能検査含む心理検査は心理士でないと実施できないため、カウンセラーのいない小規模なクリニックでは外部機関へ紹介してもらって受けることになるらしい。
慣れた環境で受けたいもんね。院内で受けられたのはありがたい。
あと、私の友人は児童相談所併設のカウンセリングルームで受けたらしい。最近は発達障害の認知度も上がって行政でこういうサービスあることもあるから確認しよう。
あとは心理系大学院併設の一般向け相談室でも受けられたりする。ググろう。

 

今回は
・WAIS-IV
・SCT文章作成テスト
・AQ(アスペルガー質問紙)の本人用と保護者用(母が回答)
の3つと、
・心理士さんと私と母の三者面談という名の検査面接
の4つの検査である。このうちSCTとASQは宿題として自宅回答した。

 

検査初日~WAIS~

病院がそこそこ遠方なのと、検査が朝一番なのでかなり早くに起きねばならず、朝の弱い私は予約を取ってから1ヶ月間ずっと不安だった。前日は遠足が楽しみな小学生くらいソワソワした。
翌日は謎のテンションで目覚まし時計より早く朝5時に目覚めた。ねぼすけの私が。小学生じゃん。

心理士さんが
「このテストは長いと2時間程度かかることがあります。睡眠不足や体調不良などコンディションに問題はありませんか」と聞いてきたとき、
「(なんかハイになっちゃって朝早く目覚めすぎたけど)大丈夫です」と答えたのは笑うところです。

 

ここから、どんなもんか不安だとか気になる方の参考になればと書いていくが、検査の公正を期すために心理検査の問題は外部に漏らしてはいけないため、残念ながら具体的な検査内容は書けない。申し訳ない。頑張って書く。

WAISの回答は一部の問題を除き、口頭である。
選択式だったり、論述式だったり。
多少鉛筆を使う問題はあるが、筆記というほどのものではない。条件に当てはまる記号をチェックするとかその程度。
あとブロックで指定の図形を真似て作る作業問題もある。

ざっくり分けると知識を問う問題、その場で思考して答えを導く問題とに分かれるが、これは「結晶性知能」「流動性知能」という言葉を調べるとなんとなく分かると思う。「言語性IQ」と「動作性IQ」でも良い。
ただし、最新版WAIS-IVは言語性・動作性IQの概念を撤廃したのでこの数値そのものは出なくなったので注意されたし。

ちなみに検査は結局2時間半かかった。時間制限の無い問題があるので、そこで長考するとその分延びるのである。
最後に感想を心理士さんにお話しした。○○が苦手に感じた~とかそんなん。

終わった後は疲れていないかなど、医師の軽い診察を受ける。

宿題として質問紙のSCTとAQを受け取って、次週までにお願いしますということで帰宅。


最初に説明もあるが途中休憩は無いため、緊張しいの人は喉が渇く。トイレも先に済ませよう。
クイズ番組は家族ぐるみで好きなので楽しかったが、2時間半ぶっ通しはさすがに疲れた。
しかしきっと一番すごいのは、出題しながら私を観察して記録も付けて、私ののんびりな回答に合わせて休憩なしで戦い続けた心理士さんである。つよい。

 

宿題~質問紙~

AQは4点法のテストで、発達障害、特に自閉傾向についての質問紙である。
物事に夢中になりすぎるとか、強いこだわりがあるかなどを「そうである」「どちらかというとそうある」「どちらかというとそうではない」「そうではない」の4段階で答えるから4点法。
これを私本人が記入するのと、保護者兼同居人として母が回答するもので2種類。
余談だが、母が先送り癖を発動して提出前日の夜に回答した。何度もケツを叩いたというのに慌ただしい……。


SCTは性格検査の一種である。投影法という自由度の高い検査な仲間で、有名どころだとロールシャッハなんかもこれである。

私は____。

というような出だしだけ指定された文章の空白を埋める。それだけ。シンプル
ただし問題数がそこそこあったので疲れた。最近すっかりペンで文字を書かなくなっていたからな……。


以上のように、複数のテストを受けてその結果を複合的に検査することをテストバッテリーと言います。テストに出るよ。

 

面談~私と母と時々心理士~

WAISの1週間後、再び病院へ行く私、その横には母。
母の急用で時間を前日に急遽変えてもらったり病院に迷惑をかけつつその日を迎えたのであったーー。

この日は朝から面接。
目的はズバリ「成育歴」である。
つまり、私がどのように生まれて育ったか、「本人に記憶の無い部分は親御さんに聞きながら掘り下げましょうの会」である。

母子手帳は病院側から持参するように指示された。
他にも、必要を感じれば通信簿なども役立つだろう。私は伝説の偏差値9.8のテスト結果を持っていった。

ちなみに妊娠中の経過から話は始まる。母体の体重増加は適切だったか、妊娠中タバコ吸ってたかとか、通常分娩だったかどうかなども聞かれる。
それから、言葉は何歳だったか、外遊びは好きだったか、幼稚園や保育園に何歳から通ったか、そして各年齢でのエピソードなどなど。

懐かしい思い出話のようににこやかに話される場面もあれば、母や私が泣き出す場面もあった。
特に小学校後半は碌な思い出が無いし、ひとつひとつ思い出しながら話していくのはなかなかダメージが大きい。
いじめから脱出できる、とせいせいと笑っていたと思った小学校の卒業式の私の笑顔が「貼り付けた仮面のようだった」と母が泣き崩れたシーンを、私は忘れられそうにない。そんなふうに映っていたのか。
新たな発見もありつつ回想していく。

母はお喋りな方なので母の発言量に困ることは無かったが、時系列順に話しているのに脱線事故を起こすので何度も修正するのが大変だった。

面談後、医師の軽い診察を受けて終了。どうしても話題が暗くなりがちなので、気持ちが落ち込んでしまう被験者もいるらしい。


23年の人生を3時間で回想するのはかなり体力気力を消耗する。面倒な人生を歩んでいるなら尚更。
知能検査と別日程で実施する理由を死ぬほど体感した。帰ったら全身が重くて寝た。
数日間疲労から回復できず、眠気が取れなかった。

 

結果は4月末には出るということで、楽しみで夜しか眠れないぜ!

ぶっちゃけ、試験は受ける前より受けた後の方がプレッシャー受けるタイプなので、笑い話抜きで震えている。

 

料金

初日 1130円

面談 210円

合計 1340円

 

案外かからなかった。というか面談3時間はかけて心理士さんを水分休憩も無く縛り付けたはずなのにこんなに安くてちゃんとお給料貰ってるか不安になった。

病院で受ければ保険が利くので割と安く済むようだ。いや保険が利いてももっと高いと思った。不安だったから受ける前に値段聞いたし。聞けることは何でも聞くが吉。

WAIS-IVを受けた話 前編

※前編と言いつつ、受けたきっかけとなった私の問題点列挙記事なので検査の感想とか内容だけ見たい方は直接後編へどうぞ。

 

kameno-ryo.hatenablog.jp

 


先日、知能検査を受けた。

受けるきっかけは私が精神科の主治医に希望を出したからである。というか元々いつか受けてみたいとは思っていたのだが、私の人生や転職の難航っぷりや、万年金欠の私が奇跡的に余裕を得たことから予定を前倒しにしただけである。
早い話が、発達の凹凸をこの際ハッキリさせようという話だ。

 


受けたかった理由という名の自分語り

 

苦手分野について

私は、一般人がびっくりするほど成績が偏っていた。
数学が死ぬほど苦手なのだ。
そして文系教科、特に国語は学年どころか全国でも上位クラスだった。

中学生あたりからその片鱗は見せていたが、高校に入ってからそれは顕著になった。
高校入学翌日の某ベネッセのテストで、国語の校内偏差値は74.9、対する数学は9.8であった。


もう一度言う。数学の校内偏差値は9.8だった。


自惚れ話をする訳ではないが、私の高校は市内公立で一番、県内でもまぁまぁの進学校だった。だから学内平均点は全国平均比では高めだろうし、校内偏差値は一般的な模試で出る全国偏差値より多少低めに出ると思う。
……それにしても1ケタって何だ。「存在するのか1ケタ」と当時の私は死ぬほど笑った。そして親への説明に悩んだ。

 

だいたい、入学翌日のテストだから、出題内容は中学までの範囲だ。
こうして、私がどうやって高校に入ったのかは永遠の謎となった。

 

国語の校内順位は1位。数学は327位。学年トップと最下位を同時受賞の栄冠。
国語は「東大京大レベル」なのに数学は「基礎基本養成レベル」。

 

この偏った成績は在学中もだいたい変わらなかった。
どっかから聞いた話によると、あまりの偏りっぷりに職員室でも話題になっていたらしい。そりゃある意味問題児でしょうよ。
数II・Bも必修の学校だったのが災いし赤点どころか0点を取りまくり、進級が危ぶまれたこともある。ありがとう当時の教科担任様。6時間も個別で教えてくれたことは死ぬまで忘れません。


今でも数学というか算数、数字への苦手意識は強い。
例えば暗算が苦手で、2ケタ+2ケタ以上の内容は筆算させてほしい。繰り上がりの数字を覚えられない。
そもそも数を数えるのが苦手だ。整列していない人数をカウントするのはかなり難題である。派遣バイトで予定になかったカウント業務を課せられた時は絶望した。
数字見た瞬間にアレルギー反応起こす。得意な人に任せたい。私は自分の得意分野で頑張るからお願いしたい。そんな気分。

 


得意分野について

反面、国語をはじめとする文系教科はおおむね出来が良かった。
というか暗記が得意だった。
世界史は年号(=数字)以外暗記できるし、受験加点になるからと漢字検定を受けた時も余裕だった。
数学以外で学校で習ったこと、日常の中で覚えたネタはまず一度で覚えて忘れないからだ。

 

暗記は得意なのと実験大好きだったので理科も中学までは得意だったが、高校理科はさすがに計算要素から逃れられず点数を落とした。
読解問題も得意というか、もう本文に答えが書いてあるのだから間違えようがない。特に選択式ならサービス問題だ。文章を読むスピードが速いことも相まって、困ったことはまず無かった。

 

また、どうでもいい雑学も私の得意分野である。
何か話を聞いていると頭の中のパスが高速で繋がり、関連するネタが次々と出てくる。「そういえば」「関連して」「もしかしたらこれも関係するかも」が浮かぶのが速い。しかしこれは結構ウザがられることもあるので利点だけという訳でもない。
多分記憶の繋がる速度と効率が高いのだと思う。嫌なことも思い出しやすいが。

 

この辺に関しては、好きなことに関して努力が要らないというより、そもそも好きなことに対する努力を努力と思わないで作業できるという性格もある。
例えば趣味に関するスキル(最近だとゲームスクリプトなどPCスキル)は習得が大変だろうが延々とやっていられる。
それから、知識欲は異様なまでにある。ジャンルは問わない。数学は理解できないがそういった概念があるのだと知ることは好きである。
国語辞書は読み物だと今でも信じて疑わない。

 

だから大学の「好きな授業だけ受けられる」システムは非常に快適だった。
心理専攻故にどうしても統計学が必修だったため数字への苦労はあったが、パソコンは使えるし、統計学そのものは嫌いではなかった。卒論執筆や大量の先行研究調査も、常に新しい知識を食べ放題というようなものなので非常に楽しかった。
高校まで5教科を一斉に横並びに学ばされるシステムは理不尽だと考えるようになったくらいに。


まとめると、
 得意なこと・好きなことへの能力は普段以上に高く、
 苦手なこと・嫌いなことへの能力は人並み以下になる。

 


それから、能力以外の問題として。

  • 人混みで人と会話することが難しい

どんなに相手の話に集中しようとしても、周囲の雑音が邪魔をしてくる。俗にいうカクテルパーティー効果が働かない。雑踏はもちろん、酷い時は教室程度の音でも全く会話が成立しない。
あと携帯電話は使えたためしが無い。外で電話取っても聞こえないから。イヤホンしてワンチャン。結局自宅以外から電話をかけることはほぼ無い。「携帯」電話の意味。

 

  • 「突然のこと」が非常に苦手である。

トラブル、予定変更はもちろん、「急に鳴るもの」も苦手である。
早い話が電話が死ぬほど嫌いだ。ただでさえ人と話すのは苦手なのに、「急に鳴った電話を取る」という段階を経なければならないので、動揺しながら会話しなければならない。
そのせいか、電話口での人の声が上手く聞こえないことがある。
オフィスワークに不向き。
あと自動センサー類が昔から苦手である。最たるものがトイレの自動水洗。そして音姫。急に動き、音が鳴るからである。おかげで外出先のトイレが未だに苦手で、都会へ行くのをトイレ嫌いによって避ける。
っていうか今のトイレって喋るじゃん。「このトイレは、便器から離れるかドアを開けると自動で流れます」とか。あれマジで怖い。
今は平気だが幼少期は自動改札、自動ドアもダメだった。怖くて駆け抜けてた。

 

  • 感覚過敏気味

前述の音に加えて、光・嗅覚もそこそこ人よりあるなと思う。誰も気にしないものが苦手だったりする。
例えば、暗い部屋で見るプロジェクター。眩しくて結構辛い。大学の授業が大変だった。

 

  • 集中力が高い

これはよく就活で長所短所を挙げろと言われた時、表裏一体としてネタにする。
一度何か作業を始めれば食事とトイレは平気で忘れるし、夜になったことに気づかず真っ暗な中で作業していたということは日常茶飯事だ。
そして、このモードに入ると人の話を9割受け付けなくなる。弟に「風呂空いたよ」と言われても言われたことすら覚えていない。何もしてないように見えて思索を巡らせていることも多いので、結果として「話しかけても反応が鈍いぼんやりした奴」と思われることもあったりする。

 

  • こだわりが強い

自分の信念、倫理観がひたすら強すぎて時に自分さえ縛っていく。曲げなさ過ぎて、入った会社に2ヶ月で不適応を起こしたり、3日で内定蹴ったり。
(会社のあれこれはまた別の日に語ろう)


他にも性格とか思考パターンがズレてる話は多いのだが、キリがないので割愛する。
ここまで読んでくださった方々で勘の良い方は気づいただろうが、この傾向はいわゆる「発達障害」の傾向にどれも当てはまる。
というか、発達障害じゃね?という話は実は私が中学生の頃から身内では上がっていた話題だった。杓子定規すぎとか。しかし、当時の担任がそれを否定したことや、母親の病院嫌いもあって特に検査などはされず放置され続けていた。
そして、放置しているうちに大人になり、広い社会に出ざるを得なくなり、様々な問題に発展してしまったのである。

 

さて知能検査を受けて、発達障害ですーとか、IQが高いよ低いよーという診断が出たとして。
それが今まで語ってきた凸凹に対して何の役に立つのだろうか?
一応臨床心理学をかじった青二才として、また自分に言い聞かせる意味でも述べておこう。

直接的には何の役にも立たない。もう一度言う。直接的には何の役にも立たない。

 

もし診断名が出たとして、それは私の中にある凸凹の存在を医学的・心理学的に証明したに過ぎない。
そして残念ながらこの手の障害は治らない。治療法は無い。(ADHDなど一部は薬で抑えることは出来るが)
病名や検査結果証明書があったところで、この資本主義の国で社会の中で生きなければならないことは変わらないし、一般の中に頑張って混ざらなければならないのだ。
ハンデを得ようにも、病名をオープンにするのには相手によってはそれなりの覚悟も必要だ。

これは気分障害の診断を受けた時にも痛感した。

 

ただ、その一般人の中に混ざりやすくするヒントは得られる。
知能検査の結果で重要視すべきは、知能の数値そのものではなく「点数の高いところと低いところの差」と言われている。
何が苦手で何が得意かを見ろということだ。それが分かれば穴をどう埋めるか考えられる。

 

やや強引な例えだが、私の偏差値は国語は74.9だが数学は9.8だ。ものすごい差だ。
5教科7科目テスト必須の国公立大と、国語・英語・社会科で受けられる私大。レベルが同じならどちらを進路に選ぶのがより「やりやすい」だろうか。
学費などの問題もあるから一概に言えないが、ここまで振り切れているなら文系特化で国語の取りこぼしを潰し、英語と社会科の点数を伸ばすことに注力して私大を目指した方が望みもあるし、何より「あまりにも出来なさすぎる数学との対峙」を避けられるので本人のストレスは少なくて済む。受験うつなどの二次災害も防げる。

 

逆に言えば、自己分析程度の役にしか立たない。私は自己分析大好き野郎なので問題ないが。

 

そんな感じで、「自分を分からないまま生きるのは怖いし、多分損が増える」という雑な理由とアホみたいに強い好奇心(=野次馬根性)で知能検査を受けることになった。ここまで長く書いておいて3行で済みそうな酷い話。

かめのがブログを始めました。

ブログを始めよう。

そう思ったのは別に最近のことではない。
前から思っていたけれど、どこのブログを使おうかとか、容量はどうかとか悩んでたらだいぶ経っていた。
あと、Twitterでわりと満足していたし。

でも、やっぱり何かへの意見書くなら140字では足りないし、かと言ってわざわざ大掛かりに個人サイト作るのも面倒だなと思って、こうしてブログを始めようと決意した次第である。
一応絵描きで文字書きで作曲者だったりで作品置き場も欲しいので、もしかしたら個人サイトを作る日もあるかもしれない。いつまでもぷらいべったーやpixivなどあちこちに分散させとくのもあれだし。まあそれはもう少し精神に余裕が出来てからやりたい。


ブログに特に何か決まったテーマを設ける気は無い。
ハイテンションなゲームの感想とかオタクカルチャーなことから、一応心理を学んだ端くれとしてあるいは当事者として精神疾患についてとか、あるいは自分の昔語りとか、徒然やっていくつもりである。

Twitterでもお得意ジャンル雑多芸。アカ分けめんどくさい。

あと口調も記事によって違うと思う。話題にもよるし。今は疲れているので字数の少なくて済む常体。タイプ疲れた。


知り合いはだいたい読んでくれると思うので、ここに検索で辿り着いた人が何かしら意味もないトリビア的情報を得て帰れるような感じになればいいなと思う。無茶な引用の溢れたキュレーションサイトが嫌いなので、出来るだけ自分の言葉で語っていきたい。

 

 

 

ちなみに、結局はてなブログにしたのは私の好きなブロガーARuFaさんがはてブロだったなあという理由です。あと無料版でも比較的広告が鬱陶しくないし、更新もそんなに頻繁じゃないだろうし写真中心ブログでもないから容量もそんなに心配しないでいいかなと。