亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

修羅場!新型コロナ体験記

約1年前、陰謀論に染まった母に振り回されたりろくに電話出ない父にキレ散らかしたりしていた記事がある。

 

kameno-ryo.hatenablog.jp

 

ああ。
私だって書きたくなかったさ続編なんか!!!
だが、

 

kameno-ryo.hatenablog.jp

 

このようになっちまったものは仕方がない。(死にすぎてこの時の文章力が限界なのは笑いどころ)
そんなわけで亀野家コロナ騒動記事第2弾。
はじまりはじまり~(死んだ目)

 

登場人物
:60代。ワクチン接種3回。ワクチン騒動時と同じく今回の騒動で一人蚊帳の外だった。だがよく見ると若干咳き込んでいたり……。大丈夫なのかこれ。発熱なかったので病院には行かず。登場人物と銘打っておきながらこの紹介文で出番は終わり。クーラーと扇風機が大嫌い。
:50代。ワクチン2回。前回の記事を読んで頂ければ分かるように、喘息や免疫疾患含む5つの持病を持つ女。ヤバい。そしてそのくせ大の病院嫌いであり、私とは過去何度も衝突している。今回も私の血圧を狂わせた。
:20代後半。ワクチン2回。感染症対策に限界のある学童支援職に不安を感じて転職。業界も大幅に変わってリモートワークメインになっている。
:20代半ば。ワクチン1回目でぶっ倒れて緊急搬送されたため、今後人生全ての注射は全て要注意となった可哀想な人。相変わらずニート

 

 

【それはある週明けのことだった】

母が咳き込んでいた。
それはもう咳き込んでいた。明らかにヤバいタイプの咳。
熱を測れば39度近い。
当然、疑うよね。アレを。
だが母は「私は風邪でもこうなる人だから」と医者にかかりたがらない。
※これはホント。ただの風邪でも喘息が引き起こされるので普通じゃない咳が出るしだいたい10日寝込むことになる。
だがそれはそれで結局喘息の薬を貰えという話だし、何よりも熱の跳ね上がり方がおかしい。とにかく医者に相談しろと説き伏せていると、母が言う。
「実は保険の更新に失敗して……」
どうも生命保険だかの引き落としに失敗しただかで更新に時間がかかるらしい。
で、この保険の更新だが、マジに健康でないと出来ない。なんと風邪引いてても出来ないという。
母は先述の通り持病フルコンボマンなので、保険新規加入は困難を極める。つまり今入っている保険をなんとしてでも継続しなくてはならない。
だから、今だけはどうしても医者にかかるわけにはいかんと。
(いや振り込み忘れるなよ!)と思いつつ、ならそれは仕方無いから手続き終わったら必ず行けよと念押しをした。
リモートワークだが定期的な出勤日があるので、私はこの時点で上司に「同居家族が高熱と咳」「私は現時点元気だが次の出社日は出られないかも」と連絡を取ったのだった。
その日、自宅での勤務を終えて自室から出てみると弟の姿が見当たらない。
どうも彼も怠さを訴え発熱したらしく先に休んだようだった。
もう嫌な予感しかしない。

【受診】

次の次の日あたり。
朝起きると身体が痛んだ。
服が擦れるだけで痛い。あっこれインフルエンザの時よくなるやつ。
熱は38度。
速攻で会社に体調不良を申し出て、発熱外来を探すと幸い歩いてでも行ける距離にあった(本当にごく最近開院したところで、ここがなければ隣街まで自転車漕ぐしかなった)。
予約は埋まっていたが、非常に近場ならと夕方に無理矢理予定を詰めていただけた。
私と弟が受診。抗原検査。
小さな医院なのだが、裏口から入る→カーテンでめちゃくちゃ仕切られた部屋(仕切りに一家族ずつ案内)に入る。かなり頑張って運営してる発熱外来という印象。
本来はおそらく簡易な処置室なのだろう、ベッドが椅子代わり。
鼻の奥にグリグリ検査の棒を突っ込んで待たされることしばらく、普通の待合室と仕切られていない廊下の椅子へ移される。
おや?
……陰性。風邪らしい。感冒薬と頓服熱冷まし、問診票に咳症状を書き込んでいた私には追加で咳止めと、咳止めの副作用の便秘対策の下剤(注:この時点では弟に咳が無かった)。
ただ偽陰性が一定数出る検査なので、改善しなかったら再度検査してくれとのことで帰される。
薬局で薬貰ってから帰宅。

【効かねぇ】

薬を飲む。とりあえず熱が下がるし熱冷ましというのは痛み止めでもあるので全身痛が治まる。
朝から見て久し振りにちょっと落ち着ける。
……が、数時間するとぐんぐん上がる熱は上がり続けピークで39度台を記録し始める。
とにかくヤバい。一番辛いのが夜に薬を飲んで寝て起きた時。睡眠時間中に効果が切れてしまい、身体の痛みで目が覚めるのだ。
普段休日にほっとけば昼まで平気で眠っている私が毎朝4時に目が覚めると言えば異常さが分かるだろうか。咳も酷く、アレだけ得意な二度寝も出来ない。
……これ絶対ダメだろ。

【嫌な予感は大体当たる】

最初の検査から2日後、これはダメだと姉弟で再び検査。
今度は検査後もずっと間仕切りの部屋で待たされる。
先生が入ってきて、抗原検査キットをチラ見せ。

「この通り陽性です」

そしてすっこんでいく。あまりにチラ見せ過ぎてどう陽性の反応が出ていたのか見る暇もない。クソガンダムゲーのブライトさんか?
そりゃそうだ先生も患者と長時間接触してられんよな。普通の患者も診てるわけだし。
その後看護師さんに案内されて更に別の部屋へ。
「こちらでお待ちください」
なんというか、ここは……本来は物置か何かなのか?とにかく小さなスペース。
壁に向けて置かれた椅子。その壁には「感染した方へ」的な今後の流れが書いてあるプリントが貼られている(後で同じものを渡すけど読んでおいてねと言われた)。
2類感染症は薬局にさえ行くことが許されない隔離レベルであるため、薬は薬局の店員さんが病院まで持ってくる→看護師さんが患者に渡すリレー方式。薬の説明は携帯に薬剤師さんから電話が来る。支払いも診察費と合わせて看護師さんにお渡しする形だ。
そのため院外処方の場合は薬の到着を待たねばならないのである。
紙も読み終わり暇なので母に取り急ぎ陽性だった旨をLINE。するとまぁ質問の嵐。とりあえずで送ったつもりがまぁまぁなやり取りになる。
一番の焦点は「今日出勤した父はどうする」なのだが、私も質問しようにも看護師さんが本当に近寄ってこないのでなかなか聞けない。
看護師さんが壁に向いてる私の後ろから、肩越しに薬と領収書とお金のトレーを差し出してくる。徹底的に真正面からは相対することないようにしているようだ。
というか「詳しいことは保健所ホームページで!じゃあな!」の空気。早く帰れ家に籠れのオーラを感じた。
ちなみにギリギリ質問できた父については「よほど食卓別とかでなければ濃厚接触者扱いなので会社にご連絡ください(訳:帰宅させろ)」であった。
私も自分の上司に連絡し、さぁさ始まる療養生活。果たして。
自転車を漕いで帰宅。もう疲れた。

【くそつらの日々】

7月の末。それは気温もバカ上がりの真夏。
ここで40度近い発熱をするのがいかにヤバいかはお察しである。
ひたすらクーラーをかけた寝室で横たわっていた。元から感覚過敏の気があるのだが、それが増幅でもされたように音刺激が本当に駄目になり、スマホで暇潰しに動画を見ようとして無理。ゲームも駄目。
クソッ7月末はライブアライブグリムグリモアという超楽しみにしてたタイトルを買っていたのに!あらかじめダウンロードで目の前に存在するのに遊べない生殺し。

幸か不幸か、私の体調はゲームどころではなかった。
まず熱が高い。ぼーーーっとする。
次に全身が痛い。服が擦れるだけで痛いのでとにかく1ミリたりとも動きたくない。
あと排泄が上手く出来ない。これは筋肉痛のせいなのか?上手く踏ん張れず、下腹部の力の入れ方緩め方が分からなくなってしまったというか。
普通なら30秒で出せるものが5分座っても出せないなお真夏のトイレの暑さはお察し。ちなみに食欲が普段の25%くらいまで落ちていたせいか、咳止めの副作用か大きい方はそもそも出なかった。多分もっと苦しむ羽目になっていた気しかないのでまだよかったのか……?
そして何より退屈でメンタルが死ぬ。
先述の通り音の出る娯楽がことごとく奪われ、年末に向けて勤しんでいた同人誌の原稿作業も出来るはずがない。特に後者の〆切のことを考えると本当は動いていたいのに、焦燥感が募る。
そのストレスを誤魔化したいのだが何も出来ない。文字コンテンツなら比較的平気なので最初はWikipediaの面白そうなページとアニヲタwikiの面白そうなページを読んでいたが2日で飽きる。ドラクエwikiを眺めて更に時間潰すがここもまあまあ読み尽くしている。本は積ん読はあるが自室に取りに行くのが怠い……。


リビングに降りてたまに水を飲むのだが、母がここしばらくすっかり韓流にはまっていて、大体ドラマがついている。これがまぁ病人には騒がしい。母が観るタイトルの多くは歴史物であり、剣戟やら悲鳴やらが周波数の問題なのか耳にちょうど刺さる。
まぁ隔離なのでちょうどいいが私はひたすら弟と共に寝室に引きこもるしかなかった。

【嫌な予感は大体当たるんだってば】

さて。
自分たちが陽性であれば、当然一番最初に発熱し未だに咳き込む母に思うところが出てくる。
保険の更新とやらも終わったと言っていたし!ね!
私「病院にかかってくれ」
母「寝てたら治ったゴホゴホからいいやゴホゴホゴホゴホ
私「嘘つけ!!未だに咳き込んでるし!!知ってんだぞまだ熱が39.8度あること!見たからな!(亀野家の体温計にはメモリー機能がついていて直前の検温結果が出るようになっている)
母「治った!!!」
なぜ私は39度の熱を出しながら自分より30も歳上の大人に説教しているのだろう。お注射を嫌がる子どもを叱るお母さんじゃないんだぞ。まぁ注射にすげぇ抵抗してたか!ガハハ!
母が病院に行かないのではという危惧は見事に当たってしまったのである。
これにイライラしながら療養なんて出来るか。
結局「明日こそ医者に行け!!!」のやり取りは私の療養中、いやその後も続いたのであった。

【いつになったら治ったと言えるのか】

薬は頓服だった解熱剤が内服になり、ロキソニンからカロナールに。
あとは咳止めに下剤……と、総合感冒薬が無くなった以外はほぼ変わらない構成のお薬を飲みつつひたすら食事以外眠っていること4日ほどで、熱は微熱レベルになり身体もそれなりに動かせるようになってきた。
ここで発生する問題「いつ会社に戻る?」
私はテレワーク中心であり、好きなタイミングで戻れというかなり緩い指示が出されていた。
しかし我が家にはリビングと寝室にしかクーラーがない。仕事場としている自室は連日の酷暑でサウナである。普段健康な時なら扇風機でギリギリ働けているが……寝たきりで体力も落ちに落ちた今……果たして……?
そして地味に続く咳。
ずるずると結局1週間休んでしまった。
時給制の人間としては給料が不安になる。
だが本来は出社できない時期から復帰できたのでマシな方。テレワークは便利だ。まぁ逆に無理するorさせる人もいそうで怖いが。

【母】

私と弟が(隔離期間といえ)復調した頃。
……母はまだ咳き込み熱を出していた。一応下がり傾向とはいえ。バカじゃねぇの。
完全に喘息が出てしまったらしい。
保険の縛りも無くなり、むしろ保険が下りた方が有利なのでやっと母が受診する。ちなみに濃厚接触者は発熱が無くても発熱外来に隔離で受診。

母「陰性だってさ~」
私「そらそうだよあなた発症から10日は経ってるからな!!!今の咳と熱は残された喘息でしょ!賭けてもいいけど発症すぐなら絶対陽性だったからね!!!!!」
一応同居レベルの濃厚接触者は意思の判断で見なし陽性にも出来るが(この辺も自治体による)、そうはならなかったようである。
私が心配なのは、母がこれにまた味をしめて「寝れば治るもん」とこれからも医者嫌いを拗らせることだ。私の胃痛を慮れ。
母曰く次からはかかるとのことだが……私はその言葉に何度振り回されてきたことか……
クソが~~~!!!

【かかって思ったこと】

まぁまず「なるもんじゃねぇな」ってのは一番。
インフルにも10年に一度かかるかかからないか程度の自分としてはこういう高熱を伴う病ってほとほと疲れる。
そして体力はまだ戻ってくれない。デスクワーク故に運動不足ではあるが、それにしても今まで楽勝だった道程を歩くのが苦痛、階段の息切れ。
もっともこれは後遺症というよりは10日引きこもりほぼ寝た切り飯も少ない生活だったからというのが大きそうだ。ちょっと筋トレした方がいいかもしれない。

次に、自治体は頑張ってくれている。
うちの市は配食サービスは申し込み制(自分で買う人もいるからね)。でも手続きはネット完結なので電話繋がらねぇとかいう苦しみはなく済んだ(一応、受取日の朝に確認の電話が来るのでそれは取らないといけないが)。
配食は私と弟と2人分を、家から出られない10日分。
これがまぁまぁな量ある。
メニューも限界まで食べられない時向けの栄養ゼリー、レトルトお粥や雑炊、カロリーメイトにレンチンご飯、料理できるようになってから食べるパスタとそのソース……と回復段階を踏んだメニューが揃えられており、レトルトカレーや魚や焼き鳥の缶詰めなどおかずもある。
それからお茶や水に、粉のスポーツドリンク。
これを無料提供してくれるのは本当にありがたかった。
ただやはり混み合っているようで若干到着にはラグがあった(診断直後に申し込んで3日ほど)ので、3日分のお粥パウチくらいは自分で用意しておくといいと思う。災害の備えにもなるし。
パルスオキシメータに関しては手続きさえいらない。保健所に認定された(保健所への患者登録は医者がやってくれてるので実質何もしなくていい)自宅療養の患者がいれば世帯に1つ貸し出される。
幸いヤバい数値になることは姉弟(ついでに母)ともに無かった。

また、読んでてお気づきになった方もいるだろうが、最初の偽陰性の時、ただの風邪と思われていたために私と弟は薬局に薬を貰いに行っている。
そう、コロナ患者が。薬局に。
ちなみにドラッグストア内の調剤薬局なので、普通にお菓子とか日用品もありそれを買いに来る客も多い。というか私たちもアイス買うために薬貰ったあと買い物もした。
もちろん正式な診断が出た後は一歩も外に出ていないが、このようなケースは珍しくないはずだ。一人暮らしの患者ならなおさらだろう。買わないことには飯はないのだ。
どんなにすべてのルールを守る真面目な患者しかいないと仮定しても科学の限界上こういうことはあるので、自分が元気だからと公共の室内でマスクを外して過ごすなんてことのないようにしてほしい。どこに症状ありの陽性者がいるか分からんぞ

あと後で出た給料明細見たら社保控除含めてほぼ普段の半額だった。絶望だな。保険と年金のマイナス額は出社日数関係なく引いてくるからね。あと奨学金。母数が小さくなると固定費のダメージ増。
全部引いたら7万円しか残りませんでした。これ実家だからなんとかなってるけど、一人暮らしなら家賃で詰みでは???コロナ貧困普通にあると思う。

あと母についてだが、将来は医師の常駐する老人ホームにぶちこんでやろうと決意した。ついでにコロナと直接関係はないのだが扇風機の風が当たる当たらないで不機嫌になった父もこれは熱中症で死んでるの見つかるタイプのジジィになるぞと感じた。
あの医者嫌いを介護?無理。認知症でもなって今以上に頑なになってみろよ。もっと無理だ。
その為にも私は再びの転職と正社員への道を模索することにした。目指せボーナス。

 

 

【雑談】

私の心拍が安静時だと60を平気で切って55とかいくんだがコイツ生きてる?

 

コロナ騒動が去った翌日。
冷蔵庫が逝った。
母の独身時代からの古株で30年以上モノ、若干調子悪くなってたもんね。私が生まれた時からお世話になってた冷蔵庫よさらば、大往生……
じゃねーーーんだわ!!感傷に浸るどこじゃねーよ!8月なのよ!灼熱の酷暑!
中身はすぐに火を通せるもの以外は慌てて処分。結果生まれる鍋いっぱいのゆで卵。
氷もなく、ぬるま湯のような麦茶を飲むしかなかった約1週間は私の記憶に深く刻まれた。
まぁコロナ中に冷たい飲み物無かったら本当に地獄絵図であることを考えたら、冷蔵庫君は粘ってくれていたのかも……しれない。