亀野の言葉を選ばない雑記帳

かめのが徒然書くところです。真面目なことからパッパラエピソードまで。

友達同伴香水屋初冒険 ~LE LABOでNEROLI36を~

時は10月頭の某週末。

「ずっと行きたい香水店あるんだけど場所が場所過ぎて気後れするのでついてきてくれ」
「ええで」
「よっしゃ」

というやり取りがあったかはうろ覚えだが行ってきたんだ。
代官山のLE LABOに。


9月末、めでたいかどうか分からないがアラサーの階段をまた一つのぼることになった私。
奇しくも小学生の頃からの付き合いがある友人2人も、ほぼ同時期に誕生日が来る。その期間それぞれ私から数えて6日(早い)と5日(遅い)。
すごいな……何の偶然なんだろう……
そんなわけで例年全員の誕生日がある秋頃に一度会い、プレゼント交換が行われる面子なのだが(ちなみに毎年やってる年末飲み会メンバーであり、梅酒作りでも世話になってる友人である)、今年の秋は自分の誕生日プレゼント見繕うの手伝ってくれ!と夏頃から私が騒いだ。

途中に私のコロナ減給とかトラブりつつ無事に迎えた約束の日。
私は普段着ないワンピースなんてもんを着て、オシャンタウンに行ってもとりあえず囲まれて殴り殺されない程度の大丈夫な服……だったよね?自信ないや友人たち私大丈夫だよね今生きてるし

 


香水集めが趣味で日に日に積み上げてるオタク
雪白さん
誕生日で言えば一番若いが誤差(この日唯一ギリギリ年下だった)
のぴ氏
私の友人の中で一番東京の“圧”に強そう


私「代官山なんてオシャンな街に行ったら私は耐えきれずに“ジュッ”と蒸発するかもしれない、目を離してるうちに消えてるかもしれない」
友人「「w」」

駅前は案外静かだった。私の東京イメージが渋谷と新宿に片寄っている。だいたいゲームのせいだ(亀野の推しゲーには渋谷聖地作品が多い。余談だが、個人的な体感としてゲーム中の渋谷と新宿は大抵吹き飛ぶ。109といい都庁といい壊し映えがするのかもしれない)

 

私がルラボ(以下カタカナ)に行ってみたかった理由は大きく3つ。
1つ、私が普段から好きな樹木系が多い。憧れてからサイトをずっと見ていたが、花々しいものが少ない。こういうブランドは少ないんじゃないだろうか。
2つ、昔読んだブログで良さげな紹介がされていた。

note.com元はゲランの夜間飛行が気になってググってた時に見つけたサイトなのだが、筆者さんの他の記事も見て私と好みの方向似てそうだなって。
(最近こういう面白い記事見つけたときの喜びが強い。オススメ香水○選!みたいな記事ばかりだからだな……そういう記事全てが悪いとも言わないけどオリジナリティ低すぎる記事の乱立がすごいので……)

3つめ、一部店舗ではメイドトゥオーダー、目の前で香水を作ってくれる。
えっ面白そうじゃん!!!


一番の目当てはサンタル33。
やはり香木好きの私、ずーっと試香してみたかった香りだ。
ちなみにルラボの香水名の尻尾についている数字は香料の数。
ブランドの顔であるそうで、一番人気。
確かにWebを漂うとルラボの名前で一番触れられていると思う。この香りは香水だけでなく石鹸などのボディ製品など商品展開が一番多かった。
実際嗅ぐと香木系というよりはスモーキー、煙っぽい。人というより空間の香りがする。
店員さんも「つけてる方がいると街中でも分かりますね」「お部屋にも残り香で○○さんさっきまでここにいたなというくらい印象づける香りです」とのことである。
この表現分かりにくいだろうが香水っぽくない。花でもないし。
というかあまり物質的な香りではない。煙、空気、不定形のものなイメージ。

他に気になってたのはガイアック10。ルラボにはシティエクスクルーシブというシリーズがあり、ルラボが出店している各国様々な都市イメージの香りがある。
その都市限定販売になっていて、それの東京版。
限定という言葉に弱いし、海外ブランドの日本イメージが興味深いし、ガイアックウッドの香りも好きだ。
これめちゃくちゃ良かった。すごく柔らかい香りがする。
よく日本イメージ香水というと(特に海外メーカーで)寺院系か舞妓さん的なパウダリックなものの二択なイメージだが、そのどちらでもない。
東京というと世界でも有数な都市なわけで、じゃあ都会っぽいシャープな香りかというとそれでもない。
というかガイアックと言いつつバリバリなウッディではない。
香りはあまり強くない。というか、最初ムエットで嗅いだとき弱すぎてよく分からなかった。
他の香りはしっかり分かるので嗅覚が突然死んだわけではない。だがなんか心に残るな?と思った。
「東京」の解釈にこれを持ってくるかという意外性。私としてはむしろ素朴な香水と感じた。
冒頭述べた通り東京なんて街は私のようなド陰キャオタクが歩いたら光と音によって蒸発させられると思っている。ガイアック10の香りは私に圧を与えなかった。
なおルラボはアメリカ・ニューヨーク生まれのブランドだが、2号店を香りやファッションの本場であるヨーロッパではなく日本に置いたのもなかなか興味深いエピソードである。
ブランド名はフランス語由来、しかも日本のフレグランス文化なんて後進も後進国だ。香りは汗や化粧室など、嫌なものを隠すためにばらまくもの、そんな認識の方が強いだろう(と、私は思っている)。よく2号店かつ初海外進出にそんな場所を選んだもんだと思う。よほど日本を好いてくれているんだろう。
ちょっと嬉しいね

そんな中で、ノーマークで私に響いたものがある。タイトルでネタバレしてるがネロリ36だ。
花の香り、と一言言ってもその幅は広い。ことフレグランスの世界において花の香りは命題の一つであり、無数にある。一つの花をテーマにするか、ブーケにするかでもまた差は出る。
無数にあるということは、当たりを引くのが難しい。普段私が白檀香水を探し回るのは、選択の余地が狭めな分選びやすいというのも大きい。
花、そしてオレンジブロッサム(ネロリ)は香水でも精油でもあまり響いた試しがない。だから私はルラボのサイトを見ていたときも気に留めていなかった。
だが店頭で試したとき衝撃が走る。

私がルラボに行って思ったのは、ルラボの香りはあまり名前と関係がない、という不思議な感覚だ。
名前に冠している香料や植物の名から直接想像出来る香りが少ない。無論サッパリ無関係なわけではないが、捻りが効いている。
ネロリ36もこの法則に則りまくっていてフローラル調とはかなり呼びづらいものだった。

これの展示サンプルで浮かんだのは、キラキラした水面。明るい水。

店舗には全種類のムエットが瓶とともに並べられている。無論こまめに交換や吹き直しはしているだろう。
しかしこれはビビっと来た。つけたてのムエットで試したかったので店員さんに声をかける。香水を(しかも高価なやつ!)を悩むなら吹きたてのものも出してもらうべきだろう。
日向に行ってムエットを暖めると印象が変わるから、是非お外出てみてください!と言われたので悩んでいた香水2~3個ムエット抱えて店外へ。
こういうことが出来る路面店って便利だなと思った。モール出店の方が通りすがりに眺める気軽さは上なのだが、路面店も良いなぁとコミュ障は思ったよ。いや気に入らなくて何も買わずに出るのが難しいのでぼっち参戦は今でも無理だが。

少し暖めて時間も待って、トップノートが退き始めたときに感じたのはやはり水……潜った水中だ。
輝く水面、そこからドボンと飛び込んでゆらゆら泳ぐ。水中もまたとても明るい。陽光と綺麗な水。
そんな景色を見た。
それから、普段苦手にしているシャボン、あるいはシャボンぽい花系。
石鹸自体は嫌いじゃない。が、香水として纏う意義が分からないのと、香水として仕立てられたシャボンは香りがツンケンしている感じがして普段は刺さらない。ついでにシャボン香をよく構成しているスズラン香も避けている。
だから私がこの香りに気を惹かれたのはかなりの大事件だった。
瓜っぽい印象のせいかもしらん。
店員さんによると海がテーマらしい。わかる。

結局ガイアック10とネロリ36でかなり悩み、自分の肌に乗せてまた日向へ行ってみたりうろうろ。
この間も友人にアレコレ相談し、うろうろの果てに今回はネロリを買っていこうと決めた。

15ml。このシンプルデザインは容量が大きくなっても変わらず、むしろシルエット的に実験室の薬剤瓶感は増す。

サンタル33も好きだが、実は手持ちの香水に結構似たようなものがあった。せっかく買うならいつもと違うものを持つのも良いなぁと思ったから。

店員さんも「手持ちにウッディ多いとなると、ガイアックに比べネロリは雰囲気変わった香水になりますね」。
よしそんならイメチェン第一歩だ!とそんなノリで。
でもガイアックも穏やかな香りで好きだ近々欲しい。

さてルラボの香水はラベルに好きな名前とか格言とか入れることが出来るのだが……いや、ここが一番の苦労だったかもしれない。思い付かないのだ!
私「Lorem ipsam*1しか浮かばない」
友「つけるときの自分がどうなりたいかとか?がそれならいいんじゃない」
私「空白の香りではない……っ!」
これが瞑想系でつけて落ち着いて内省的にしてくれる香りなら、何者でもない文章としてアリだったと思う。
でも少なくとも私にとってネロリ36はこれではないのだ。
困りに困り果てて、27という数字を記号で囲ってもらった。多分27歳が終わるまでには使いきるかなと思って。あと初めてお高い香水を買った27歳を思い出す香りになったら面白い。
ラベルに悩んでたら香水作ってるところほとんど見られなかった。まぁ他のお客さんの調合を見られたのでいいか。
そうそう記号がなかなか良く分からんのも使えるので面白い。音符とか星とかはもちろん、天気マークやバイオハザードなマークとか使える。実験室感あるお店とボトルだけにバイオハザードがなかなか洒落にならん感。

記号だけでも面白ラベル作れる。
記念日ならその日の天候とか入れたら思い出深いのかもしれない。

梱包が段ボールなの無骨な実験室感。

ガイアック10は残念ながらサンプルが無いそうなので、次点で気にしていたサンタル33をつけてもらった。こういうのが通販では味わえない店舗のよさだ……
あ、ここまであまり触れずに来ちゃったけど店員さんいい人だったよ。コミュ障の私が言うんだから間違いない。

 

この後は近くにあるルピシアのアウトレットをぶらつき(雪白さんがファンなので散策ルートに組み込んでおいた)、ご飯してジェラート食べて別の香水店入ったり、渋谷のNOSE SHOP入ってガチャ回したりして遊んだ。
何も考えずに友人たちへの誕生日プレゼントにハーブティー選んでたんだけど、茶をしこたま買うルートなのに茶をプレゼントするのだいぶ愉快だな、決まらなすぎて前日に慌てて買ったから……先に決めてたルートと被ってしまった。

食べたジェラート。マクワウリとスイカ

NOSE SHOPは前にガチャを回して縁のあった香りが2つとも非常に好きだったので、それを迎えるか悩んでたらどっちも売り切れた。長くうろうろ悩むのに付き合わせてごめんな友人……
後で一人で買いに行った。ひっそり退勤の隙に。

こっちの香水も感想というか好きなポイントを言語化できればと思っている。
それにね、ネロリ自体も気分だったりそうでなかったりするし、日常の中での感想を言語化したい。

今回の記事は「友達同伴香水屋初冒険之巻」ということで。レビューというより日記ということで。

まあちゃんと続編書けるのか知らないけどね……

 

 

後日

サンタル33サンプルと手持ちの似てると思った香水を比べてみたら、確かに煙っぽい方向は似ているのだが全く違った。人の記憶って当てにならんね、おもしろー。
(日によって感じ方が違うのもあるとしても)
サンタル33のが圧倒的に渋い、苦い煙。
私に似合うかはかなり微妙だが、これはバリっとジャケット着こなすキャラにつけさせたいと思った。

 

そして一連の購入から1ヶ月ちょい。

やりやがりましたよねぇ……。
年末に向けて、クリスマスとかホリデーとかでディスカバリーセット……つまり小瓶サンプルが様々なブランドから出る季節なんです……。

サンタル33はサンプルもらったけど是非……他もゆっくり試したい…ってか集めたい(オタクにありがち収集癖)…と……
好きなお店は推せるときに推すんだい!
なおオンラインでも取り扱うと思ってたのに、情報出てみたらオンラインは3本のシンプル版で6本セットは店舗限定だった。
震えながら都内に激突もとい突撃した。

おかげでしばらく香水とその感想に困りそうにない。
色々知見を身につけてやろうじゃないの。

*1:よくあるダミーテキスト。意味が無い文章の代表格。